ひとりで夜更かししている時、どんな音楽をお供にしていますか?
しっとりしたバラードやジャズも素敵ですが、クラシック音楽にも夜中にぴったりの曲がたくさん。
そこでこの記事では、夜中に聴くときにおすすめのクラシック音楽を7曲厳選してお届けします!
「夜の空気のように透き通った曲」「誰かに思いを馳せるような曲」がラインナップされているので、お好みのものをプレイリストに加えてみてくださいね。
目次
一人で静かに過ごす夜は、クラシック鑑賞にぴったり
クラシックのコンサートがホールで行われる事が多いように、クラシック音楽はとてもデリケートな音楽です。
日中の光の強弱や、生活音が鳴り響く環境では、集中してクラシック音楽が鑑賞できません。
その点、夜中は雑音や余計な明かりのちらつきが少ないのでクラシック音楽を聴くには最適な環境なんです。
学生時代の音楽の授業ではあまりクラシック音楽に興味が持てなかった人でも、夜中にじっくり聴いてみると新しい発見があるかもしれません。
【ピアノ編】夜中の鑑賞におすすめなクラシック曲10選
それでは、夜中に一人で聴くシーンでおすすめなクラシック曲を10曲紹介します!
- しっとりした雰囲気
- クリアな音
- 美しいメロディライン
- 眠くならない程度の長さ
が特徴のものを選んだので、ぜひじっくり聴いてみてくださいね。
まずは、定番のピアノ編です。
サティ ジムノペディ1番
3/4拍子の一定したリズムを左手が演奏し、1拍に1音ずつ右手がメロディを演奏するジムノペディ。
一見単純な作りの曲ですが、バス(和音の一番下)の音に対して増7度の音が多用されていて、ジャズのようなおしゃれな雰囲気と、幻想的な雰囲気が共存しています。
へみ
7度とは、ピアノで言うと白鍵のドから白鍵のシまでの広さのことです。ドミソの和音にシを付けると、和音にスパイスが足されたような響きが生まれます。
ジムノペディは1番から3番まであるのですが、いずれも強弱や緩急をほとんどつけずに演奏されます。心拍や血圧が安定する人もいるほどリラックス効果が高いので、夜のクラシック鑑賞にはぴったりですよね。
ショパン ノクターン2番 ホ短調
ショパンのノクターンの中で1番有名なのが「第2番 変ホ長調 作品9-2」です。優雅で甘美なメロディが日本人にもウケ、テレビCMやドラマでもよく使われていますよね。
曲は12/8拍子。
へみ
3拍子だと思っている人が多いのですが、1小節に八分音符が3×4個並ぶ拍子です。
テーマはこの12/8拍子の小節が4小節でひとかたまりなので、かなり規則的な作りになっていると言えるでしょう。
テーマを繰り返し演奏する中で、トリルやターンなどの装飾やオブリガードで変化を付けています。曲全体の安定感と、メロディの飽きない変化が、夜更かしのお供に最適です。
シューマン トロイメライ
12曲の小曲集である「子供の情景」。その中の7番目の曲であるトロイメライは、ドイツ語で夢見心地という意味です。
4拍子なのですが、メロディがきっちり小節の中に収められていません。拍子が感じられない「ふわふわ感」もこの曲の魅力です。
へみ
子供が遊び疲れてすーっと眠りについたような、平和で安心感のある曲調が夜にぴったりですね。
ちなみにトロイメライは「泣けるクラシック」でも紹介しています。夜に涙活したい方は、ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね。
ドビュッシー ベルガマスク組曲より「月の光」
優しく降り注ぐ月の光が表現されたドビュッシーの「月の光」。メロディラインは常に高めの音域で、キラキラ輝いて聞こえます。
対して伴奏となる左手の伴奏は、かなり低めの位置にあります。夜の闇のように深いところで響いているので、ぜひ意識して聴いてみてください。
ちなみにURLは、2021年のショパンコンクールで2位となった反田恭平さんの演奏。若手プレーヤーですが、柔らかく円熟した演奏をされるのが特徴です。
参考:クラシック音楽のドビュッシーってどんな人?名曲7選を半生とともに紹介
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
昔のスペイン王朝の様子を描いた”絵画”に想いを馳せて作られた「亡き王女のためのパヴァーヌ」。
ゆっくり時が流れるようなテンポ感で、夜に集中したい時にも安眠したい時にもぴったりです。
参考:【クラシック音楽】モーリス・ラヴェルってどんな人?代表曲とエピソード
フォーレ 夢のあとに
もとは歌+ピアノで作曲された曲で、夢の中で美しい女性と過ごす様子が描かれています。
恋多き作曲家であったフォーレが垣間見える、甘美で情感たっぷりの1曲ですよね。
ベートーヴェン ピアノソナタ第14番「月光」より第1楽章
「月光」というタイトルは、ベートーヴェン自身が付けたものではなく、のちにドイツの詩人によってつけられたものです。
「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と評論したことで月光と親しまれるようになったそう。
もとは叶わぬ恋への思いから作曲されたということで、ベートーヴェンの愛情の深さが曲全体の重みに繋がっています。
チャイコフスキー 舟歌
チャイコフスキーが雑誌の連載で作曲した「四季」のなかでも、最も人気が高いのがこの舟歌です。
アマチュアで発表会をする人にも人気で、難易度としてはさほど難しくありません。
聴く側としては、シンプルで程よい余白がある曲調が、夜落ち着いて聴くのにぴったりです。
リスト コンソレーション [慰め] 第3番 変ニ長調
超絶技巧曲が目立つリストですが、6曲からなる「慰め」という小曲集はロマン派らしい落ち着きを持つ曲集です。
美しいアルペジオから始まる第3番は、思わず聴き入ってしまうような魅力がありますよね。
参考:フランツ・リストの名曲5選!クラシック音楽界きってのモテ男の晩年までたどる
クープラン クラヴサン組曲第2巻 アルマンド
鍵盤楽器の演奏技法を確立させたと言われるクープラン。
バッハやヘンデルと同じ時代に活躍した作曲家なので、原曲はピアノではなく「チェンバロ」の曲です。
ピアノのようなダイナミクスさはありませんが、そのぶん夜の落ち着いた雰囲気にぴったりです。
【室内楽・オーケストラ編】夜中の鑑賞におすすめなクラシック曲10選
夜の落ち着いた時間には、オーケストラは合わないと思われがち。
へみ
長い曲になると、そのぶん強弱も激しくなってきがち…ですが、小品には静かでゆったりしたものも少なくないんです。
夜にしっとり聴くのにぴったりな、オーケストラや室内楽(数人で演奏するアンサンブル)作品を紹介していきます。
モーツァルト オーボエ協奏曲 ハ長調
オーケストラの中で最も「演奏しにくい」楽器として知られるオーボエ。音量の幅がとても狭く、音域も3オクターブ弱(美しく響く音域は2オクターブほど)と限られています。
へみ
ちなみに管楽器で一番広いクラリネットで4オクターブ弱、弦楽器もそれぞれ4オクターブ以上あります。
哀愁を含んだ繊細な音で演奏されるオーボエなので、バックのオーケストラは小編成か、ボリュームが小さ目。その分強弱の幅が少なく安定しているので、夜ゆっくり聴くのに適しています。
オーボエに限らずモーツァルトの協奏曲は、しっとり歌う部分と軽やかに演奏する部分のメリハリがはっきりしています。音量や音域が限られていても、オーボエの魅力を堪能できますよ。
バッハ 無伴奏チェロ組曲1番
チェロ1本だけで演奏されるこの曲ですが、旋律だけにも関わらず表情豊かでしっとり浸れる1曲です。
組曲はプレリュード(前奏曲)に続き、5つの舞曲(アルマンド・クーラント・サラバンド・メヌエット・ジーグ)からなります。
へみ
この時代の舞曲といえば「貴族が踊るためのBGM」で、バロックの雰囲気が存分に味わえるでしょう。
ちなみにチェロは、最も人の声に近いと言われている楽器です。聴いているだけで安心感が得られる、特別な楽器なんですよ。
参考:【クラシック音楽】チェロの音色の特徴と名曲10選!オーケストラで活躍する曲とは?
メンデルスゾーン 夏の夜の夢より「ノクターン」
シェイクスピアの戯曲「夏の夜の夢」の劇中曲として作曲されたノクターン。妖精の王と女王が仲直りするシーンで使われる、穏やかで愛に満ちた夜想曲です。
へみ
ホルンが主役の曲で、包み込むような優しい響きが印象的。
オーケストラは楽器が多い分抑揚や強弱が付きやすく、夜に聴くには変化が激しいのですが、メンデルスゾーンのノクターンはゆったり聴けるのでおすすめです。
参考:【結婚行進曲】メンデルスゾーンの半生と7つの名曲!クラシック音楽界の立役者だった
モーツァルト アイネクライネナハトムジークより第二楽章
アイネ(a)クライネ(small)ナハト(night)ムジーク(music)ということで、まさに夜のサロン演奏会のために作曲された曲です。
ただ1楽章、3楽章は華やかすぎて夜の落ち着いた時間にはあまり向かないかな…ということで、ゆったり音が流れる2楽章をプレイリストに入れるのがおすすめです。
参考:【クラシック音楽】モーツァルトのオーケストラ&室内楽曲おすすめ10選
マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
「泣ける」「感動する」といえばこの曲!というほど、美しい旋律に定評がある曲です。
夜、物思いにふけっている時間に流せば、きっと感情が揺さぶられることでしょう。
参考:【泣ける】美しいメロディのクラシック音楽10選!プレイリストに加えたい名曲たち
マスネ タイスの瞑想曲
ヴァイオリンの透き通るような音色に心洗われる曲です。
原曲はヴァイオリンソロですが、チェロ版やフルート版など、各楽器にアレンジされているので、好みの音源を見つけてみてください。
参考:【クラシック音楽】ヴァイオリンの音色の特徴と名曲10選
ラフマニノフ ヴォカリーズ
ラフマニノフが存命中から大人気だった歌曲「ヴォカリーズ」。
哀愁あるメロディと、バロック時代の響きを融合させていて、何度も聴きたくなるような良さがあります。
こちらも様々なアレンジがありますが、夜のおすすめは音域のムラが少ない「コントラバス版」や、落ち着きある「男声版」です。
参考:【クラシック音楽】コントラバスの音色の特徴と名曲10選
バッハ 主よ、人の望みの喜びよ
天に昇るような旋律と、絶妙に組み込まれた短調の和音が、夜のリラックスタイムにぴったりです。
へみ
バロック時代の作品では、短調は「悲しさ」を表していないことがほとんど。耽美な雰囲気が味わえます。
超名曲なのでアレンジも様々ですが、個人的にはオルガンや弦楽合奏版が好きです♪
ブラームス クラリネット5重奏曲
秋の夜長に聴きたいのがこちら。
たった5人で演奏される曲なのですが、重厚感がすごい。
深く深く思想がめぐらされるような感覚になれます。
参考:【クラシック音楽】クラリネットの音色の特徴と名曲10選
ホルスト 組曲【惑星】より”金星”
チェレスタやグロッケンシュピールなど、キラキラ感ある楽器が活躍する金星。
ゆったりしたホルンのソロから始まる、悠久感のある曲です。
どうしても惑星は「木星」に注目されがちですが、ほかにも美しい曲で組まれているのでぜひ全曲聴いてみてください。
参考:ホルスト「惑星」をクラシック音楽初心者向けに分かりやすく解説!木星以外の曲も魅力がたくさん
夜中にクラシック音楽を聴く時のポイントは?
それでは、紹介した7曲をはじめ「夜にクラシック音楽を鑑賞する時のポイント」を解説します。
ボリュームは小さめに、ハイレゾ対応のイヤホンが◎
雑音や明かりの変化が少ない夜なので、あえてボリュームを落として耳を澄ませてみましょう。現代人は大きな音に慣れすぎているので、小さくて細かい音を聞き分ける作業は脳に良い刺激を与えます。
さらに「ハイレゾ」音源なら、もっと細部まで音の変化を楽しめます。周囲の音を遮断して楽しむためにも、スピーカーよりもハイレゾ対応のイヤホンで聴く方が良いでしょう。
音源を選ぶときは「テンポ感」を重視して
紹介した曲のほとんどは、かなりテンポがゆっくりな曲です。ゆっくりな曲は演奏者によって速さが全然違うので、自分が美しく感じる速さの音源を選ぶようにしましょう。
へみ
テンポがしっくり来ない音源だと、聴いていてイライラしてしまう事も・・・
「たくさん音源がありすぎて、どれを選べば良いか分からない」という人のために、音源の選び方を解説した記事もあるので、良ければ読んでみてください。
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紹介した「夜クラシック」はどれも有名な曲なので、Youtubeで検索するだけでもかなりの数の音源がヒットします。
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