クラシック音楽の代名詞とも言える楽器と言えば、ヴァイオリンです。
ソロから伴奏までそつなくこなせ、優雅にメロディを奏でたと思えば超絶技巧を披露したりと、オーケストラの中ではまさに万能選手。
そんなヴァイオリンの特徴や名曲を、余すことなく紹介していきます♪
目次
ヴァイオリンってどんな楽器?
ヴァイオリンは「擦弦楽器(さつげんがっき)」と呼ばれる、弓で弦を擦って奏でる楽器です。
オーケストラの擦弦楽器の中では一番サイズが小さく、音量もほかの楽器と比べるとやや小さめとなります。
演奏するときは左の顎と肩で楽器を挟み、左手で弦を押さえて右手で弓を動かします。
ヴァイオリンの音域
ヴァイオリンには4本の弦があり、それぞれ何も押さえない時の一番低い音(開放弦)はG3、D4、A4、E5です。
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ちなみに、ピアノの基本のドはC4、オクターブ上がるとC5です。
それぞれの弦を押さえて、短く響かせることで音の高さを変えます。
なので、高い音は一番高い弦(E5)のさらに2オクターブ上くらいまでは簡単に出せるんですよ。
ヴァイオリンの音色とオーケストラでの役割
ヴァイオリンの音色は艶っぽく、優雅なメロディが得意です。
一方、オーケストラのヴァイオリン総勢20名ほどで一斉に音を出すと、ふんわり温みある響きが生まれます。
という事で、ヴァイオリンのオーケストラでの役割は「万能選手」。メロディから和音での伴奏まで縦横無尽に弾き続けます。
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ただし音の高さが高くて目立つので、どうしてもメロディの方が多くなりますね。
音の跳躍や速いパッセージも得意なので、作曲家によってヴァイオリンの役割が全然違うのも面白いですよ。
ヴァイオリンの名曲10選
それでは、ヴァイオリンの魅力が堪能できる「ヴァイオリンの名曲」を10曲紹介します!
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木管楽器が専門の私ですが、ヴァイオリンの音色は大好きでプレイリストにたくさん入っています…!
何度聴いても飽きない名曲ばかりなので、ぜひプレイリストに加えてみてください。
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
移動民族の一つ、ロマの音楽をもとに作られた曲です。
独特の音階がヴァイオリンの音色に見事にマッチしていて、1部・2部はなんとも言えない妖艶さがありますよね。
3部は何といっても超絶技巧が魅力!こちらは奏者によって全く表情が異なり、好みの音源を見つけるのも面白いですよ。
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 作品24 「スプリング」
全4楽章が長調で書かれている、まさに「春の喜び」が表現されている曲です。
ベートーヴェンは「情景」よりも「心情」を表現することに力を入れていたので、まさに春のウキウキした気分に聴こえてきますよね。
へみ
メロディは、ヴァイオリンの中でもよく響く華やかな音域が多用されています。
【参考】春に聴きたいクラシック音楽10選
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調『ラ・カンパネラ』
リストのピアノ曲でよく知られる「ラ・カンパネラ」ですが、パガニーニのヴァイオリン協奏曲の3楽章がもとになっています。
通称「鐘のロンド」と言われるこの3楽章は、フラジオレットと呼ばれる倍音を用いた奏法で演奏されます。
へみ
フラジオレットは通常よりもオクターブ上、またはそれ以上の高さの音が出るので、とてもか細く繊細な表現が可能なんですよ。
マスネ:タイスの瞑想曲
「タイス」というオペラにある間奏曲です。
俗の世界から足を洗う事を決意するまでの、主人公の心を入れ替える様子が独奏ヴァイオリンで表現されています。
甘美でよく響かせる主題から、神への祈りを捧げるようなピアニッシモまで、ヴァイオリンの魅力がたくさん詰まっている曲です。
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調
伴奏なしのたった1本のヴァイオリンで演奏される、5楽章からなる壮大な曲です。
1度に2つ以上の音を響かせる「重音」が多用されているので、かなりテクニックが要求されます。
へみ
ちなみに、この曲が作曲されたバロック時代では、今のヴァイオリンよりも2つ、3つの音を同時に出しやすいヴァイオリンが主流でした。
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
少し寂しそうな主題から始まる協奏曲で、数あるヴァイオリンの協奏曲の中でも最高峰の作品だと言われています。
カデンツァ(楽章の終盤に、伴奏なしで自由に演奏する部分)が作曲者によってすべて書き込まれているのが特徴で、どの音源でも同じカデンツァとなります。
協奏曲にしては短めな曲ですが、独奏ヴァイオリンが絶え間なく弾き続けているのも特徴です。
モンティ:チャルダッシュ
フィギュアスケートなどでも人気の高いチャルダッシュ。もとはマンドリンのための曲でしたが、現在はヴァイオリンの超絶技巧曲の代名詞として知られています。
1部(ラッセン)は大人の女性がしっとり歌うような、魅惑的なパートです。
2部(フリスカ)は一転激しく踊るようなパートで、ヴァイオリンの運動能力が伺えます。
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同じ楽譜を演奏できるオーケストラの楽器は、他にないのではないでしょうか?
ブラームス:交響曲第1番4楽章
管弦楽曲の中で、個人的に一番好きなヴァイオリンパートです。
上記動画の5:10くらいから始まる第一主題ですが、それまでどことなく厳しさが漂っていたのがふっと和らぐ瞬間。
へみ
ヴァイオリンの中では一番太い弦の一番低い音から始まるこの主題は、あたたかく愛溢れる、ブラームスらしいメロディだな、と感じています。
【晩秋に聴きたい】ブラームス珠玉の名曲5選!クラシック音楽初心者でも感動できます
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
現在最も演奏機会が多いのでは?と思われるチャイコフスキーのコンツェルト。
最初は楽譜が難しすぎて「演奏不可能」の烙印を押されることも多かったとか…
へみ
そのため、なかなか演奏してもらえず、評価が高まったのは作曲からずっと後の事になってしまいました。
分かりやすく、現代の日本人の琴線にも触れやすいメロディが多いので、クラシック音楽初心者さんにもおすすめのヴァイオリン曲です。
クライスラー:愛の喜び
力強い重音(2つの音)で始まる、華やかな小品です。
へみ
結婚式や披露宴にもぴったりなクラシック音楽で、場がぱっと華やぎます♪
この曲の重音は長3度(ドとミ、ソとシなど)の音程が多いのですが、実はヴァイオリンはこの音程がニガテ。
さらっと弾いているような音源が多いのですが、かなり指の力と器用さが求められる曲です。
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