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【クラシック音楽】ヴィオラの音色の特徴と名曲10選

ヴァイオリンより一回り大きいサイズのヴィオラ。

構えもヴァイオリンと同じ、オーケストラで弾く位置もヴァイオリンの隣、という事で、どうしても影が薄くなりがちな楽器です。

へみ

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そんなヴィオラですが、実はオーケストラの曲でもソロの曲でも結構活躍しているんですよ。

この記事では、ヴィオラの特徴や「ヴィオラが活躍する曲」を紹介していきます。

ヴィオラってどんな楽器?

ヴィオラは簡単に言うと「ヴァイオリンより一回り大きく、少し低い音域が出る楽器」です。

形はヴァイオリンと同じで、楽器を弾くときの構え方もヴァイオリンと同じ。

「擦弦楽器(さつげんがっき)」と呼ばれる楽器で、左の肩と顎に本体を挟み、右手で持った弓を弦に擦って音を出します。

ヴィオラの音域

ヴィオラは、ヴァイオリンやチェロ・コントラバスと同じく4本の弦があり、開放弦はそれぞれC3、G3、D4、A4、となっています。

へみ

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上3本はヴァイオリンと同じ音域で、一番太い弦が追加されている感じですね。

指板を押さえて弦の長さを短くすることで高い音が出るのですが、ヴァイオリンに比べると高い音を出すために指を頑張って伸ばさないといけないためやや音域は狭いです。

ヴィオラの音色とオーケストラでの役割

ヴァイオリンに比べると、やや渋みがあるのがヴィオラの音色。

女性でいうとアルトの音域で、落ち着いたイメージを与えるような音色です。

へみ

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オーケストラの中では「メロディーの下支え」「和音の中間音を担当」といったサポート役が多めとなります

ですが、たまに回ってくるメロディーパートでは、なんとも言えない重厚さやセクシーさを表現できる貴重な楽器です。

ヴィオラの名曲10選

それでは、ヴィオラが活躍する曲を10個紹介します。

へみ

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ヴィオラのソロ曲は数えるほどしかないので、オーケストラや室内楽でのソロパートもピックアップしてみました♪

知っている曲でも「あ、ここヴィオラだったんだ!」と分かれば、より音色の奥深さに魅了されますよ。

テレマン:ヴィオラ協奏曲

ヴァイオリンやピアノの協奏曲に比べて、極端に数が少ないヴィオラ協奏曲。

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テレマン(1681-1767)も3,600曲以上の曲を残していますが、ヴィオラの協奏曲はこの1曲のみです。

ヴィオラはヴァイオリンに比べて超絶技巧がニガテと考えられていたからか、バロック時代~19世紀くらいまでは、あまりテクニックが求められていませんでした。

この曲もやはりテクニックは求められていないのですが、その分「情緒的に歌う」表現力が求められています。

モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラの為の協奏交響曲

父の影響でヴァイオリンやヴィオラを演奏していたモーツァルト。

変ホ長調(ミ♭が主音となる調)の曲ですが、ヴィオラパートはロ長調(レが主音となる調)と、半音低く書かれています。

へみ

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そして、ヴィオラは通常より半音高くチューニングするよう指示があります。

これは「しっかり弦を張ることで、ヴァイオリンと対等に楽器を響かせる効果」や「運指的にロ長調の方が効果的に響く」ことが計算されていると言います。

モーツァルトって本当に多彩ですよね…!

シューマン:おとぎ話

ヴィオラ、クラリネット、ピアノの3重奏です。

当時も今も、かなり珍しい組み合わせですが、シューマンの「ロマン派らしいメルヘンチックな世界感」を表現するにはぴったりの楽器で揃えたな、という印象。

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というのも、ヴィオラもクラリネットも音色にカドが少なく、他の楽器とマッチしやすいという特徴があります。

メロディの担当が切り替わるのが分かりにくく、全体にふんわりした仕上がりになります。

カール・マリア・フォン・ウェーバー:歌劇『魔弾の射手』

第3幕のロマンツェとアリアでヴィオラソロが活躍します。

アリアを歌うエンヒェンが、ヒロインを優しく励ます場面でのヴィオラソロ。

明るい歌声が求められるエンヒェン役ですが、伴奏でヴィオラソロが優しく響くことで、より印象的な場面になっています。

ブラームス – ヴィオラソナタ第2番変ホ長調Op.120-2

個人的にヴィオラでイチオシの曲です。

へみ

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というのも、この曲はもともとクラリネット用に書かれた曲なんです

ヴィオラソナタ1番、2番ともにクラリネットソナタを編曲して作られているのですが、ブラームスの深みと優しいメロディがヴィオラにベストマッチ!

何度聴いても涙が出そうになるほど美しいソナタです。

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シューベルト:アルペジオーネソナタ

もともと「アルペジオーネ」という楽器のために書かれた曲なのですが、今日では音域が近いヴィオラやチェロで演奏されます。

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アルペジオーネはチェロの6弦バージョン、という楽器で19世紀に流行しました

床に固定して弾くチェロやアルペジオーネに比べて、ヴィオラは肩に担いで弾くので運指がやや大変。

ですが高く繊細な音を表現するのはヴィオラの方が得意なので、軽く弾むような柔らかい響きが楽しめますよ。

エルガー:弦楽セレナード

エルガーが妻へ「3回目の結婚記念日のプレゼント」として作った曲です。

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ちなみに、婚約記念に作った曲はあの有名な「愛の挨拶」です。

ヴィオラが活躍するのが、ゆったりした2楽章。

ヴァイオリンにはない「C線」を使った、深みのあるトゥッティやソロが盛りだくさんで、エルガーの妻への愛があふれ出ているようです。

メンデルスゾーン:交響曲第三番「スコットランド」

1楽章の冒頭のメロディはオーボエやホルンに耳が行きがちですが、実は弦のメロディ担当はヴィオラのみ。

やさしく木管楽器をサポートしていて、うまく哀愁が表現されています。

このメロディはもう一度1楽章の終盤で出てくるのですが、静かに楽章が終わるためにはヴィオラの響きが欠かせないですよね。

バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第六番

ヴァイオリンがない弦楽合奏曲です。

ヴィオラ2、ヴィオラ・ダ・ガンバ2、チェロ1、チェンバロ1、という構成で、ヴィオラ2本にメロディや技巧的な役割が集中しています。

へみ

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まさに「バロック時代の曲」といった感じで、室内で貴族が楽しむような響きが楽しめます

全体通して全員でリズムを刻むだけの部分があったり、メロディがない部分が多かったりと「異例づくし」の曲なのですが、不思議と落ち着くような円熟した曲です。

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ドヴォルザーク:弦楽四重奏「アメリカ」

冒頭の民謡風メロディはヴィオラが奏でています。

へみ

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実は初演でヴィオラを担当していたのはドヴォルザーク自身!ヴィオラに思い入れがあるドヴォルザークは曲全体を通してヴィオラに重要な役割を与えています。

作曲当時アメリカにいたドヴォルザークは、現地の先住民の音楽や出身のチェコの民謡風の音階を織り交ぜながらこの曲を書きました。

今では、この弦楽四重奏はドヴォルザークの代表曲となっています。

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hemmi

hemmi

3歳からピアノ、12歳でクラリネットを始める。全国屈指の音楽高校に進学し、そのまま音大に進学。
音高音大では専攻のクラリネット演奏のほか、作曲編曲で作品を提供。
首席で音大を卒業後は演奏活動や指導をしつつ執筆活動を行っている。

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