厳しい寒さの冬が終わると、心躍る春がやってきます。
そんな春気分を盛り上げるのが「春がモチーフのクラシック音楽」。
実はクラシック音楽には春がテーマの曲がたくさんあって、ヨーロッパの作曲家たちも春には特別な思い入れがあった事が伺えます。
この記事ではそんな「春クラシック」から、人気の10曲を厳選して紹介します!
目次
ヨーロッパでも「春」はウキウキする季節!

日本では、春は「晴れやかな気持ち」「うきうきする」「新しく何かを始める」というイメージを持つ人が多いですよね。
クラシック音楽が盛んなヨーロッパの国(ドイツ・フランス・ロシア・イタリアなど)も冬は寒さが厳しいので、イメージとしては似たような感じ。
色とりどりの花が咲き、鳥がさえずり、街も華やかな雰囲気になります。
スプリングコンサートも野外で開かれる事が増えてくるので、春の風物詩的な曲も多く作曲されています。
ヴィヴァルディだけじゃない!春におすすめのクラシック曲10選!

それでは、春に聴きたいクラシック曲を10曲紹介します!
「春」と言えば真っ先にヴィヴァルディの春を思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は曲名に春がつく曲はまだまだたくさんあるんですよ。
メンデルスゾーン 無言歌集より「春の歌」
まるで小鳥が歌っているような可愛らしい主題が特徴のピアノ曲です。
伴奏はアルペジオ(和音を分散させて弾く技法)がふんだんに盛り込まれていて、ハープとフルートのデュオをイメージさせます。
終始おだやかで安心感があるので、くつろいでいる時のBGMにもぴったりです。
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェンの交響曲の中で「第九」「運命」と並んで有名な楽曲です。珍しい5楽章形式からなっていて、それぞれ標題が付いています。
たとえば一楽章は「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」という標題なのですが、ベートーヴェンは当時としては珍しく、情景ではなく”心情”を音楽で表現しています。
春、美しい田舎町を訪れた時の高揚感・・・そんな気持ちを思い浮かべて聴いてみてくださいね。
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
フランスの詩人によって書かれた「半獣神の午後」という詩に感銘を受けたドビュッシー。詩をイメージしたこの前奏曲を書き、当時大ヒットを収めました。
というのも、この曲はフランス印象派音楽のさきがけで、春の日差しやあたたかな空気など「感覚」を表現した斬新な音楽だったからです。
ぜひ、キラキラした春の雰囲気を感じ取ってみてください。
シューマン 交響曲第一番「春」
春の始まりを告げるファンファーレから始まるこちらの交響曲。シューマン自身、大恋愛を実らせ結婚した翌年に書かれた事もあり、春の幸福感あふれる曲です。
冒頭部~第一楽章はエネルギッシュですが、第二楽章以降はシューマンらしい「物憂げな」部分もよく見られます。
希望と不安が入り混じったような雰囲気で、そんな部分も春らしいと言えますよね。
ヴィヴァルディ 四季より「春」
言わずと知れたクラシックの人気曲です。
3楽章からなり、ざっくり言うと1楽章は「鳥のさえずり」2楽章は「うたた寝」3楽章は「春の踊り」が表現されています。
日本では式典で流れることも多いので、何となくかしこまったイメージを持つ方も多いかもしれませんね。
ランゲ 花の歌
あまりメジャーではない作曲家のランゲですが、曲を聴くと「あぁこの曲!」となるはずです。
エレガントなメロディと、3連符やアルペジオが散りばめられた華やかな伴奏。2分ほどの小品ですが、春気分にしっかり浸れるでしょう。
シベリウス 春の歌
フィンランドの作曲家、シベリウスが感じていた「春」は他国の作曲家と一味違っていたようでした。
北欧も春は暖かく良い季節なのですが、幻想だったかのようにあっという間に過ぎ去ってしまいます。
チェロやファゴットなど中~低音の楽器の登場率が高く、暖かく奥深い響きが特徴的。そして和音はどこか寂しく望郷的です。
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第5番「春」
「のだめカンタービレ」でもよく使われていたヴァイオリンソナタなので、聴き覚えのある方も多いかもしれませんね。
ベートーヴェン若い頃の代表作で、明るく希望に満ち溢れた曲調です。
この曲を作曲してほどなくしてベートーヴェンは難聴を感じ始めるのですが、そんな儚いエピソードも相まって春のイメージが高まります。
J.シュトラウス ワルツ「春の声」
これ以上春の華やかな雰囲気を表現した曲はないでしょう。
珍しい「管弦楽+ソプラノ独唱」の構成なのですが、このソプラノは“コロラトゥーラソプラノ”と呼ばれる、繊細で技巧的なソプラノ歌手が歌います。
まるで春を告げるナイチンゲールのような繊細な歌声で、春のキラキラした雰囲気を感じてみてくださいね。
平井康三郎 幻想曲「さくらさくら」
最後は私たち日本人の「春」に浸りましょう。本来お琴の曲だったさくらさくらを、作曲家の平井康三郎氏がピアノ変奏曲にアレンジした曲です。

へみ
実は音大生の定番曲で、私も音大時代によく耳にしました。
音の並び方は一見、ショパンやシューマンといった時代のエレガントさがあります。が、使われている和音や「ヨナ抜き」と呼ばれる日本独特の音階が印象的ですね。
春のクラシック曲、聴き方のポイントは?

春のクラシック曲は、小さな作品も多くて手軽に聴けるのが特徴です。
一方、繊細な部分も多いので、環境を整えないと細部まで聴こえない・・・ということも起こりがち。
そこで、春のクラシック曲を聴くときのポイントも紹介しますね!
繊細な春クラシック、静かな環境&高機能イヤホンで
木漏れ日のようなキラキラ感を表現した「装飾音」が多く見られる春クラシック。騒がしい環境や音漏れが激しいイヤホンだと、せっかくの装飾音が聴こえません。
聴くときは雑音が少ない環境で聴くか、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンを使うとキレイに聞こえるでしょう。
ティータイムに流す時はハイレゾ級の良い音源で
イヤホンを使わずに部屋のBGMとして流す時は、コンサートの録音やレコードをデジタル音源にしたものではなく「レコーディングされたもの」を選ぶと良いでしょう。

へみ
音が部屋に散りにくいので、快適に春クラシックを楽しめますよ。
ハイレゾ級の高音質を選ぶと、なお良しです。
春のクラシック曲を探すなら「Amazonミュージック」
紹介した春のクラシック曲は、どれもかなり人気の曲です。なので、CDを探すとなると膨大な音源が見つかって迷ってしまうかも・・・

へみ
ちなみに、音源の選び方に関しては「どの演奏家のCDを聴けばいい?初心者向けの選び方のポイント」で紹介しています。
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