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なぜ嫌われる?リヒャルト・ワグナーの名曲5選(クラシック音楽)を彼の半生とともに紹介

音楽のプロたちの間でも賛否両論な作曲家といえば「リヒャルト・ワグナー」です。

良い意味で当時のクラシック音楽に革新を起こしたワグナーなのですが、一方彼の性格や差別的言動によって(特にヨーロッパ内では)嫌悪感を持つ人もいるんです。

人間性は決して良いとは言えないワグナーですが、作られた音楽は天下一品。

そんなワグナーの音楽を、彼の半生とともに紹介します。

ドイツの作曲家ワグナーってどんな人?

リヒャルト・ワグナー

ワグナーは1813年にドイツのザクセン王国ライプツィヒに生まれました。一家が音楽に親しんでいたことから、ワグナー自身も10代の頃から作曲活動を行っていました。

ワグナーは音楽史でいうとロマン派に活躍した作曲家で、ロマン派初期~終わりまで駆け抜けました。

人生で2度ドイツから亡命しますが、その間も積極的に作曲活動を行い、熱烈な支持者やパトロンの助けもあって成功を収めていきます。

一方、過剰なほどの自信家で、多くの音楽家や思想家と決裂していました。さらに大変な浪費家で、平気で借金を踏み倒すなど人間性を疑うエピソードも数多く残っています。

ワグナーが作曲家としてすごかったこと

「歌劇王」とも呼ばれるワグナーは、その名の通り、当時の歌劇(オペラ)の常識を打ち破った人でした。

ワグナーが登場するまではイタリアオペラが主流で、1曲1曲が独立していました。

対してワグナーは「音楽が分断されてしまう」と、劇の始まりから終わりまで一続きで作曲。オペラ界に革命を起こしました。

場面が切り替わる時は限りなく調性があいまいになりますが、これも近現代の「無調性音楽」に繋がるキーポイントとして音楽史では重要です。

ワグナーが嫌われるワケ

ワグナーは性格に問題がある人物だったので、生きている当時から好き嫌いが別れる作曲家でした。

ですが、ワグナーが現代で嫌われる一番の原因となったのが「死後ナチスに利用された」事でした。

熱狂的なワグニストだったヒトラーはナチスの集会で必ずワグナーの曲を流していて、今でもワグナーの曲はユダヤ人差別の象徴としてイメージする人がいます。

ワグナーの名曲5選を半生とともに紹介!なぜか勇気づけられる不思議な魅力

様々なしこりを残したワグナーですが、作品はどれも素晴らしいものばかり。

どれも心を奮い立たせてくれるような雰囲気を持っていて、ポジティブになりたい人にはぴったりなんですよ。

そんなワグナーが作曲したものから5曲、初心者でも聴きやすいものをピックアップしてみました。

彼の半生とともに紹介していきますね。

さまよえるオランダ人

作曲年:1842年(29歳)

ワグナーは18歳で音楽学校に入学しますがすぐ退学し、その後は合唱団の指揮をしながら生計をたてます。ですがなかなか芽が出なかったのとワグナー自身の浪費もあって貧困にあえいでいました。

まもなく借金取りに追われるようになったワグナーは、ドイツからロンドン→パリへ逃げるように移住します。

ロンドンへの渡航中に暴風雨に襲われたのですが、その経験がのちに歌劇「さまよえるオランダ人」に盛り込まれました。

序曲では、ホルンが奏でる「オランダ人の動機」が印象的。幽霊船に乗ってさまようオランダ人の寂しく不気味なさまが絶妙に描かれていて、現代映画のBGMといっても違和感がないほどです。

リエンツィ

作曲年:1840年(26歳)

パリでも成功を収められず苦しい生活をしていたワグナーですが、ドイツから逃げて3年後に転機が訪れます。生まれ故郷のザクセン王国に新しいオペラ劇場ができ、そこでワグナーの「リエンツィ」が上映されたのです。

新しいオペラ劇場での上演は大成功、ワグナーは一気にスターダムにのし上がります。

リエンツィは近年オペラ全編が上演されることは稀ですが、曲は人気なため、序曲だけ演奏される事も少なくありません。

この序曲は主人公リエンツィのアリアのモチーフが用いられた穏やかな曲調で始まりますが、次第に反乱を予想させる金管楽器の動機から華やかなマーチへと展開。

とてもドラマチックで、ワグナーの魅力が詰まった1曲だと言えるでしょう。

タンホイザー

作曲年:1845年(32歳)

ザクセン王国の新しいオペラ劇場(ゼンパーオーパー)で成功を収めたワグナーは、すぐにそこの専任指揮者として就任します。

就任直前1942年から3年の歳月をかけて作られたのがこのタンホイザーです。本人指揮の初演は前作「リエンツィ」に比べるとやや評判が悪く、最初は1週間ほどで打ち切られてしまいました。

ですが分かりやすい脚本が徐々に脚光を浴び、今ではワグナーの歌劇の中でもトップクラスの上演数を誇ります。

この作品から、ワグナーの真骨頂である「オペラ番号制の廃止」が採用されていて、歌劇としてのまとまりも抜群。

舞台は中世で、2つの伝説をもとにつくられただけあって荘厳な雰囲気に圧倒されます。

ニュルンベルクのマイスタージンガー

作曲年:1868年(55歳)

ワグナーは過激な思想の持主でもありました。

リエンツィでの成功から5年ほどたつと、ユダヤ人排除の運動に参加しはじめます。最後には主導して指名手配されたこともあり、再びドイツを追われてしまいました。

亡命中も作曲活動をつづけたワグナーは、彼の最高傑作である「歌劇」をいくつも作り上げます。その中の一つが「ニュルンベルクのマイスタージンガー」です。

序曲は日本のメディアの挿入曲としてよく使われているので、もしかすると耳にしたことがある人も多いかもしれません。

ワグナー唯一の喜劇、という事実にふさわしく「ハッピーエンドを予想させるような明るさ」と「抑圧されつつあった自身のドイツ芸術への愁い」を含んでいます。

ジークフリート牧歌

https://www.youtube.com/watch?v=1bekGONWuTA

作曲年:1870年(57歳)

追放令をとかれたワグナーでしたが、ほどなく妻ミンネが病死します。次に結婚したのはコジマという女性だったのですが、コジマとワグナーは長年不倫関係にありました。

へみ

へみ

というのもお互い配偶者がいて、コジマの夫はワグナーの支持者でした。これが原因で、コジマの元夫はワグナーと決別してブラームス派となります。

そんなワグナーとコジマの間には、ジークフリートという男の子が生まれます。ジークフリートの誕生と、コジマへの感謝を込めて作曲されたのがジークフリート牧歌でした。

ワグナーにしては珍しく(といっては失礼ですが)甘さたっぷりでロマン派がよく表れた曲調です。長年の許されない恋を乗り越えた二人が、息子の誕生によってより愛情深く結びついたことが伺えますね。

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