クラシック音楽の作曲家、と聞いてまず思い浮かぶのが「モーツァルト」という人は少なくありません。
モーツァルトが生きていたのは今から約300年前の時代ですが、現代でも色あせない名曲の数々が人々を魅了しています。
生涯で1000曲以上(!)作曲していたとも言われるモーツァルトの楽曲の中でも、特に人気の曲を厳選・・・
しようと思っていたのですが、あまりにも名曲が多すぎて選べなかったので、この記事では「オーケストラ曲」「室内楽曲」に的を絞って紹介しようと思います!
へみ
ちなみに、ピアノ編はこちらの記事で紹介しています♪
目次
クラシック音楽界で最もポピュラー!モーツァルトのオーケストラの特徴は?
モーツァルトの楽曲は全体的に「透明感」「軽快さ」があるのが特徴。
これはピアノ・オーケストラ・オペラに限らず共通した特徴で、初心者でもさらっと聴ける馴染みやすさに繋がっています。
では、モーツァルトのオーケストラ曲の特徴はどうでしょうか?
筆者が個人的に思うモーツァルト楽曲の特徴は
- 各楽器無理のないオーケストレーション
- あらゆる音が「あるべきところにある」安心感
- 天に上るような崇高さ
といった感じ。
モーツァルトはそれぞれの楽器の「一番美しく響く」音域を感覚的に熟知していて、最高の響きを生み出す天才でした。
へみ
一説には「倍音まで計算されて作っていたのでは」と言われています
演奏者としても、ぴたっとハマる感じの響きに癒される楽曲ばかりです。
モーツァルトの室内楽曲おすすめ10選
まずは、モーツァルトの楽曲の中で「室内楽曲」のおすすめを10曲紹介します。
室内楽、というワードに馴染みがない方もいるかもしれませんが、室内楽は弦楽器や管楽器などオーケストラで使用される楽器の小編成バージョンの曲だと思ってくださいね。
①アイネ・クライネ・ナハトムジーク
英語に直すと「A Little Night Music(小さな夜の音楽)」という小品ながら、モーツァルトで一番有名な曲なのでは?と思う程ポピュラーな楽曲です。
1楽章から4楽章まで、全て長調ベースのとっても明るい曲。テンポも前へ前へと進んでいく感じなので、モチベーションを上げるのにもぴったりな曲ですよ。
②クラリネット五重奏曲
クラリネットはクラシック界でかなり新しい楽器で、モーツァルトの時代に登場した楽器です。
そんなクラリネットの楽曲をいち早く作り上げたモーツァルト。
従来の弦楽器・管楽器と上手く溶け込ませているので、まるでクラリネットが弦楽器やフルート、ホルンなど古くからある管楽器と同世代のように感じます。
この五重奏曲は、クラリネットの温かい響きが癒し効果抜群なので「寝る前に聴きたいクラシック音楽」の記事でも紹介しています。
③セレナーデ第6番「セレナーデ・ノットゥルナ」
弦楽器+ティンパニ、という珍しい編成のセレナーデです。形式自体は当時の古典派の典型的な構成で、初心者でも分かりやすい楽曲かもしれません。
この曲の魅力は何と言っても3楽章。ヴァイオリンソロのスピード感と、急き立てるようなティンパニがとっても楽しい!音源によって表情が全然違ってくるのも魅力です。
④弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516
「交響曲第40番」と同時期に作曲され、同じト短調という事からなんとなく雰囲気も似ています。
弦楽器5本、という編成なので交響曲40番よりも軽めに感じるかもしれません。ですが、メロディはより深い哀愁を感じられ、しっとりと浸ることができますよ。
⑤ピアノ四重奏曲 第1番 ト長調 K.478
「難しすぎて、たぶん売れない」という理由で出版社が出版を断念した(!)というエピソードを持つピアノ四重奏曲です。
モーツァルトの中では情熱的な性格を持つ作品で、ぱきっとした枠組み感と、情に訴えるようなメロディラインが印象的。
⑥弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 「狩」K.458
モーツァルト自身が「狩」という副題を付けたわけではなく、さらに作曲の背景も狩に関係するものはありません。
ではなぜ、この曲が「狩」と言われているかというと、1楽章の第1主題が角笛っぽく聴こえるから。
ワクワクするような6/8拍子と相まって、気持ちを高めてくれる曲です♪
⑦ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407
のちにモーツァルトは、4曲のホルン協奏曲を作曲しますが、この曲は4曲の協奏曲が書かれる少し前に作曲されました。
ホルンの可能性を試すために書かれたという説もあり、当時は至難の業だった半音階が駆使されています。
編成はヴァイオリン1,ヴィオラ2、チェロ1、ホルン1、の珍しい編成。
ホルンの音域に近いヴィオラが拡充されていることで、ホルンがキレイに溶け込んでいます。
⑧ヴァイオリンソナタ第18番ト長調 K.301
ヴァイオリンのソロにピアノ伴奏、という構図ではなく、ヴァイオリンとピアノのデュオ、と表現するのがぴったりなソナタ。
特に2楽章はピアノが主役で、右手と左手の間の音域にヴァイオリンが入っている部分が多く見られます。
全体を通して軽快で、明るい気持ちになれるでしょう。
⑨フルート四重奏曲第1番
とある医師のために作曲されたフルート四重奏曲です。
医師から依頼された内容は「協奏曲を3曲と、いくつかの四重奏曲」でした。
へみ
モーツァルトは(おそらく音色で)フルート嫌いでしたが、苦心しながらも協奏曲2曲とこの四重奏曲を含む4曲を書き上げています。
苦労して…というのはモーツァルトが父に宛てた手紙でも明かされているのですが、さすがはモーツァルト、フルートの魅力満載のきらびやかな四重奏曲に仕上がっています。
⑩ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲「ケーゲルシュタット」
友人のクラリネット奏者をふくめた、仲間内で演奏するために作られたと言われた三重奏です。
モーツァルト自身ヴィオラをよく演奏していたので、まさに愛着ある楽器のみで編成された、気心知れた感のある1曲。
ヴィオラもクラリネットも音色が柔らかいので、癒し要素満載ですよね。
モーツァルトのオーケストラ曲おすすめ10選!代表曲は?
続いては、モーツァルトの管弦楽曲(オーケストラ曲)を紹介します!
1700年代のオーケストラはまだ規模が小さく、人数も少なめ。
オーケストラのイメージである「華やかさ」「ダイナミックさ」は少ないですが、まとまりある上品な作品が楽しめます。
①交響曲第40番ト短調
モーツァルトの45曲ある交響曲のうち短調の交響曲はたった2曲で、そのうちの1曲がこの交響曲第40番。
モーツァルト晩年(といっても32歳)の最高傑作で、短調なのに不思議と心が洗われる美しい曲です。
ちなみにこちらは「ドライブにぴったりのクラシック曲」でも紹介させて頂きました。流れるような展開の速さは、気分転換にもぴったりですよ。
②ホルン協奏曲
モーツァルトの友人であるホルン奏者ロイトゲープ氏のために作曲されたホルン協奏曲。ホルン協奏曲は4曲ありますが、この曲は比較的ホルン奏者にとっては易しいレパートリーです。
へみ
というのもロイトゲープの引退間近に、高音が出しにくくなった彼のためにモーツァルトが低く移調したという説があるんです。気遣いが感じ取れて、より美しく感じますよね。
こちらの曲は「音楽史でたどるクラシック音楽名曲10選」でも紹介しています。
モーツァルトが生きていた古典派の代表曲として解説しているのですが、他の年代の曲も面白い曲ばかりなので是非聞いてみてください。
③ディベルティメントK136
ディベルティメントは日本語で「喜遊曲」と訳されますが、本当に曲の雰囲気にぴったり。
聴いているだけでモチベーションが上がってくるような曲調で、自然と明るい気持ちにさせてくれる曲です。
集中力を高めるクラシック音楽の記事でも紹介しているのですが、作業中のBGMとしても欠かせない1曲ですよ。
④交響曲第41番 ジュピター
交響曲39番、40番、こちらの41番の3曲は「後期三大交響曲」とも呼ばれ、モーツァルトの楽曲の中ではかなりスケールが大きい楽曲です。
へみ
この曲はモーツァルト最後の交響曲で、モーツァルトはこの曲を聴かずして亡くなったとか・・・
ジュピターという副題は、モーツァルトの死後つけられた通称。その通称にふさわしく、華やかで伸び伸びした曲調が魅力です。
⑤ピアノ協奏曲第23番
モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも、編成が小ぶりな部類に入ります。
へみ
トランペット・ティンパニなど大きな音の楽器がいないので、クラシック初心者さんでもボリューム調性がしやすいかもしれませんね。
可愛らしく洗練された1楽章、透き通るような2楽章、モーツァルトらしい軽快さがある3楽章と、どこを切り取っても聴きごたえある楽曲です。
⑥フルートとハープのための協奏曲
数少ないハープが主役のオーケストラ曲です。
もともと、モーツァルトが音楽の家庭教師をしていたフランス貴族の娘(ハープを嗜んでいた)のために書かれた楽曲で、彼女の父親から依頼されたものだと言われています。
へみ
当時ハープはまだメジャーな楽器ではなく、さらに技術的にも確立された楽器ではありませんでした。が、モーツァルトは依頼に応えるべく必死に模索した後が見て取れます。
ある種「クラシックギター」のような、技巧的なハープの響きにうっとりできる曲です。
⑦ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
ただの「ヴァイオリン+ヴィオラ+オーケストラ」の曲だと侮ってはいけません…!
ヴィオラは通常よりも半音高く調弦するという指示があるのですが、これは
- ヴィオラ奏者の運指がしやすくなる
- 弦がしっかり張ることで音にハリが出る
という効果が狙われています。
ヴィオラをよく弾いていたモーツァルトだからこそ、ヴィオラの良さを活かせる協奏曲が作曲できたんですね♪
⑧オーボエ協奏曲第1番 ハ長調
モーツァルトの数ある協奏曲の中でも、最高峰と名高い協奏曲です。
よく響く音域が限られていて音も小さい、一見オーケストラの中ではか弱い存在のオーボエですが、まるで自由に飛び回る小鳥のようにイキイキとしたオーボエが楽しめます。
⑨オペラ「フィガロの結婚」より 序曲
モーツァルト四大オペラ(フィガロの結婚、コジ・ファントゥッテ、ドン・ジョヴァンニ、魔的)のうち最も若い時に書かれたフィガロの結婚。
モーツァルトの明るくユーモラスな曲調が、愉快な喜劇の台本とマッチして、プラハを始めとするヨーロッパで大ヒットをおさめました。
そんなフィガロの結婚の序曲は、今から楽しいお話が始まるワクワク感でいっぱいです。
⑩セレナード第10番 変ロ長調「グラン・パルティータ」 K. 361
管弦楽曲として扱っていますが、小編成の割にクラリネットが2本、クラリネットより一回り大きなシングルリード楽器「バセットホルン」が2本入れられている珍しい編成です。
さらに、モーツァルトの友人のクラリネット奏者のためにクラリネットが多めに活躍するので、やや吹奏楽っぽい響きがするのが見どころのひとつ。
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今回紹介した10曲のほかにも、モーツァルトの管弦楽曲は魅力的なものがたくさんあります。
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