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クラシック音楽のメヌエットって何?メヌエットの名曲5つを紹介

クラシック音楽の曲名で「メヌエット」というものを聴いたことはありませんか?

可愛らしい3拍子の曲なのですが、実は「メヌエット」という題名がついた曲ってたくさんあるんです。

そこでこの記事では、メヌエットがどんな曲なのかを解説していきます!

メヌエットの名曲も紹介していくので、ぜひいろんなメヌエットを楽しんでみてくださいね。

クラシック音楽のメヌエットってどんな曲?

実はメヌエット、厳密にいうと曲名ではないんです。

17世紀~18世紀にかけての「バロック時代」の貴族の踊りの名前がメヌエット。

その踊りを踊るのに最適な雰囲気・テンポの性格を持つ音楽の小品だから「メヌエット」という題名がついています。

メヌエットはバロック時代の踊りの一種

メヌエットは、以下のような踊りのことです。

メヌエットは,1組の男女が洗練された作法,優雅なステップで,君主や貴賓の臨席する長方形の大広間を太陽王を象徴するS字またはZ字形に進む,きわめて悠長な貴族的社交ダンス風の舞踏である。

参考:コトバンク

もともとはフランスの田舎の踊りだったメヌエット。

ルイ14世の時代に宮廷で踊られるようになってからはヨーロッパ全土でブームとなりました。

宮廷でのメヌエットは「整列した男女が1組ずつ手を取り合って踊り、王や伯爵の前に順番に挨拶していく」といったスタイルでした。

ステップを踏み間違えないようにするのに必死になりそう…!

メヌエットのテンポや拍子は?

メヌエットはゆったりした3拍子が特徴です。

バロックダンスのメヌエットでは2拍目と6拍目に膝を曲げて腰を落とす決まりがあるので、優雅なフリフリのドレスが広がりすぎないようなテンポが求められます。

そして、ダンスの伴奏のため「曲全体が派手すぎない」ことも特徴。

ボリュームを抑えた、静かな雰囲気のメヌエットがほとんどです。

一番有名なメヌエットはバッハの「メヌエット ト長調」

恐らく多くの人の「メヌエット」とは、バッハのメヌエットの事を指していると思います。

レーソラシドレーソッソ、ミードレミファソーソッソ…という曲ですね。

3拍子でゆったりしたテンポ、小規模で控えめな曲調、という特徴を兼ね備えた典型的なメヌエットです。

クラシック音楽の定番?メヌエットの名曲5つ!

それでは、今でもよく演奏される「メヌエット」を5つ紹介します!

バロック時代の踊りだったメヌエットですが、バロック時代を題材にしたオペラや、昔の作曲技法を積極的に取り入れた「フランス印象派(1900年前後)」にもメヌエットが数多く作曲されています。

バッハ メヌエットト長調

先ほども紹介した、メヌエットの中では一番有名な曲ではないでしょうか。

メヌエットの形式を理解するのにも最適な、シンプルな構成となっています。

へみ

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…とここまで解説しておいて、なのですが、実はこの曲はバッハが作曲したものではないと言われています。

なんでも、バッハは別の作曲家(ペツォールト)が作曲したものを「自宅での演奏用に書き留めておいた」そうで。

そのノートが発見されてバッハ作と思い込まれていた、というのが最近では有力な説ですね。

ドビュッシー ベルガマスク組曲より「メヌエット」

ドビュッシーのベルガマスク組曲4曲のうち、2曲はバロックダンスがモチーフになっています。

第1曲:プレリュード
第2曲:メヌエット(この曲!)
第3曲:月の光
第4曲:パスピエ

ドビュッシーのメヌエットはなんとも色彩豊か。

作曲年は1890年と近代ですが、作曲しながらバロック時代に思いを馳せたのでしょうか…少し物悲しい雰囲気にうっとりしますよね。

参考:クラシック音楽のドビュッシーってどんな人?名曲7選を半生とともに紹介

モーツァルト ディヴェルティメント K.334 より 3楽章「メヌエット」

モーツァルトのメヌエットといえばこの曲です。

へみ

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聴いたら「あー!」となる方も少なくないかもしれませんね。

モーツァルトらしい明るく抜けるような曲調が、可愛らしいメヌエットに見事にマッチ。

モーツァルトがバロック時代に比較的近い時代に生まれたこともあり、ゆったり流れるテンポ感は本当に社交ダンスが踊れそうです。

原曲は管弦楽用ですが、あまりにも人気の高いメヌエットのため、ヴァイオリンソロやピアノソロ用の楽譜も出版されています。

参考:朝に聴きたいクラシック音楽20選!朝ごはんや朝活のBGMにおすすめ

ビゼー アルルの女より「メヌエット」

フルートとハープの優雅な掛け合いが美しいビゼーのメヌエット。

アルルの女のどの部分で演奏されているかというと…実はこのメヌエット、戯曲「アルルの女」用に作曲された曲ではないんです。

へみ

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ビゼーの死後、彼の友人であるギローが編曲して組曲に入れたもので、原曲は別のビゼーの歌劇「美しいパースの娘」から引用しています。

あまりに美しいフルートのオブリガードなので、たくさん演奏してあげたい気持ちになったのでしょうね。

最初はフルートとハープで演奏されますが、中間部はドラマチックに盛り上がります。

再現部はアルトサックスの艶っぽい響きがプラスされるのが筆者のひそかな推しポイントです。

参考:【クラシック音楽】フルートの音色の特徴と名曲10選

ラヴェル クープランの墓より「メヌエット」

6曲からなる組曲の「クープランの墓」は、バロック時代のフランスの作曲家”クープラン”に宛てた曲ではありません。

クープランの時代の音楽形式(バロック音楽の形式)で出来た組曲で、「墓」というのは第一次世界大戦で犠牲になったラヴェルの知人たちへの追悼の意味なんです。

へみ

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もちろん第4曲のメヌエットも、犠牲になった友人との思い出を追想して書かれたもの。作曲された背景を知ると、涙なしでは聴けないメヌエットです。

美しく精巧な雰囲気が初演時より好評で、のちに管弦楽版やバレエ版もラヴェル本人により編曲して発表されています。

管弦楽の魔術師と呼ばれるラヴェルだけに、オーケストラ版も色彩豊かで魅力的です。

参考:【クラシック音楽】モーリス・ラヴェルってどんな人?代表曲とエピソード

メヌエット以外のバロックダンスは何がある?

フランスの宮廷で踊られていたメヌエットですが、他にもバロックダンスというものは存在します。

クラシック音楽の曲名としても良く知られているのは

  • シャコンヌ
  • ガヴォット
  • ジーグ
  • パッサカリア
  • パスピエ
  • サラバンド

といったものです。

それぞれ拍子や速さが違うのですが、曲名を聴いて「あぁ、バロックモチーフなんだな」とイメージを膨らませておくことで曲の解釈が変わってきます。

シャコンヌ:バッハ シャコンヌ

ヴァイオリンたった1本で演奏される超大作。

シャコンヌの起源はペルーだと言われていて、イタリアやスペインに伝わったのちフランスやドイツで流行した舞踏です。

へみ

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もともとは快活な踊りだったシャコンヌですが、フランスやドイツに伝わる頃には安定感あるずっしりした舞踏に変化しています。

このシャコンヌは「変奏曲」ともとれる構成で、同じテーマが何度も演奏されます。

そのたびに装飾や付随するメロディが壮大になっていって、聴けば聴くほど「沼る」1曲です。

参考:【クラシック音楽】ヴァイオリンの音色の特徴と名曲10選

ガヴォット:ゴセックのガヴォット

ゴセック、という作曲者の名前を知らなくても、曲を聴いたらほぼ100%の方が「知ってる!」となるのではないでしょうか。

ガヴォットは4/4拍子か2/4拍子の活発な踊りで、曲の最初が「小節の途中」から始まっている曲です。

へみ

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しっかりドレスを揺らしながらステップを踏むため、踊っている様子がとても華やかなんです♪

ゴゼックのガヴォットは人気なため、ピアノ編曲版をはじめヴァイオリン、フルートなどの教則本にもたびたび登場します。

サラバンド:サティ 3つのサラバンド

フランス音楽の「異端児」とも呼ばれるサティのサラバンド。

1880年代、音楽史でいうとまだまだロマン派時代の作曲ではありますが、ラヴェルやドビュッシーなどの印象派や、ロシア5人組のような「ぶっとんだ響き」を持つ曲です。

へみ

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サラバンドとして守られているのは「重厚感」「3拍子」という点のみ…当時、音楽界では賛否両論が巻き起こったそう。

現代の私たちにはサロンミュージック的でかなりなじみやすく、おしゃれなカフェやインテリアショップで流れていそうなイメージです。

メヌエット以外の3拍子の曲は何がある?

続いては、メヌエット以外の「3拍子の舞曲」も紹介します。

メヌエット以外の3拍子の曲と言えば

  • ワルツ(オーストリア)
  • ボレロ(スペイン)
  • マズルカ(ポーランド)

が代表的。

特に、ワルツはパッと聴いて「あ、これワルツだ」とイメージできる人が多いですよね。

ワルツに関しては「【クラシック音楽】ワルツの名曲20選!優雅な気分に浸れる楽曲を紹介」という記事で特集を組んでいるので、華やかなクラシック曲をお探しの方はぜひご覧ください♪

ワルツ:シュトラウス2世 美しく青きドナウ

「ワルツ王」と呼ばれるヨハン・シュトラウス2世の代表曲であるワルツです。

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オーストリア・ウィーンでは毎年ウィーンフィルの「ニューイヤーコンサート」のアンコールで演奏されるので、オーストリア第二の国歌とも呼ばれています

もともとはプロイセン王国に敗れたウィーンの人々を励ますために作曲された曲だったのですが、パリ万博で世界中の人々に親しまれるようになりました。

そしてさらにそこから20年後、現在歌われている歌詞に改定されると、高貴で荘厳な歌詞がまたまたブームを巻き起こしたのです。

参考:クラシック音楽のヨハン・シュトラウス2世ってどんな人?代表曲と半生

ボレロ:ラヴェル ボレロ

現代で「ボレロ」というと、この曲しかないほど有名なボレロです。

ボレロとはスペイン地方の舞踏のひとつなのですが、ラヴェルは母がスペインバスク地方の出身ということもありスペイン舞曲を作品の多くに取り入れています。

へみ

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リズムは「タン、タタタ・タン、タタタ・タタタタタタ」という3拍子で、スネアドラムが常に刻んでいるので分かりやすいですよね。

サックス(ソプラノ・テナー)やオーボエ・ダモーレ、小クラリネットなど、マイナー楽器が続々メロディーを奏でるのも特徴で、斬新なオリエンタルさを持ちます。

参考:【クラシック音楽】モーリス・ラヴェルってどんな人?代表曲とエピソード

マズルカ:ショパン マズルカ Op.7-1

ショパンの故郷、ポーランドで古くから伝わる舞曲をアレンジしたマズルカ。

へみ

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流れるようなテンポ感と、2拍目や3拍目がやや重厚なので、パッと聴いた感じはワルツによく似ている感じです。

マズル(マズルのもとになった舞踏)はお祭りの時によく踊られていたということで、お祭りっぽい愉快なメロディ…特に9度下降する跳躍はくすっと笑えるようなユーモアがあるように感じます。

そこにショパンらしい愛らしい装飾が加えられているので、子供から大人まで親しみやすい舞曲に仕上がっています。

メヌエットを聴きたい!音源の選び方や聴く環境のポイント

静かで落ち着いた曲調のメヌエットは、音源やイヤフォン・スピーカーにこだりたいところ。

  • ハイレゾクラスの高音質
  • ノイズキャンセリング機能があるイヤフォン
  • よく響くホールでの録音

といったポイントを押さえれば、ため息が出るほど美しいメヌエットを楽しめるはずです。

また、メヌエットを聴くタイミングは「夜」がおすすめ。

ゆったりしたテンポでボリュームの変化が少ないメヌエットは、寝る前のリラックス効果を高めて安眠へと導いてくれます。

最高のメヌエット音源を探すならAmazonミュージック

「メヌエット」という題名が付く曲は、バッハ以外にもたくさんあります。

しかもメヌエットは作曲された背景がドラマチックなものが多く、ついつい感情移入してしまう不思議な魅力がありますよね。

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hemmi

hemmi

3歳からピアノ、12歳でクラリネットを始める。全国屈指の音楽高校に進学し、そのまま音大に進学。
音高音大では専攻のクラリネット演奏のほか、作曲編曲で作品を提供。
首席で音大を卒業後は演奏活動や指導をしつつ執筆活動を行っている。

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