ポロン、と優雅な響きが美しいハープ。
へみ
弾き手の姿も美しく、憧れの楽器ですよね。
そんなハープですが、クラシック音楽ではかなり歴史ある楽器で、たくさんのレパートリーがあるって知っていましたか?
この記事では、ハープの特徴やオーケストラでの立ち位置、ハープが活躍する名曲を厳選してお届けします。
目次
ハープってどんな楽器?
ハープは、縦に張られた弦をはじいて音を出す「撥弦(はつげん)楽器」です。
へみ
この世に存在する楽器の中でも「最も古い楽器のひとつ」で、なんと紀元前3000年ごろにはハープの原型があったという資料が残っているとか…!
現在オーケストラでよく使われるのが、弦が全部で47本張られたグランドハープ。
音階はすべて「ピアノでいう白鍵」の音階に調律してあって、7種類のペダル(それぞれド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シに対応)を♭や#に入れて調性します。
ハープの音域
ハープの音域はC1(中央ドの4オクターブ下)~G7(中央ドの3オクターブ半上)、という事で、オーケストラで使われる楽器の音域をほぼすべてカバーできます。
へみ
ピアノの音域よりほんの少し狭いくらいですね。
ピアノの鍵盤よりも弦と弦の間隔の方が狭いため、手が小さい人の方が弾くのに有利だと言われています。
ハープの音色とオーケストラでの役割
ハープの音色は、言わずもがな「ポロン、ポロン」という透明感あふれる響き。
へみ
そのため、幻想的な雰囲気を出したい時や、癒しの場面で活躍しています。
また他の楽器では到底マネできないのが「グリッサンド」です。
ピアノと違ってきれいな和音でグリッサンドできるので、一瞬で曲の雰囲気が華やかになります。
ファンタジックな場面でもよくグリッサンドで登場していますよ。
ハープの名曲10選
それでは、ハープが活躍するオーケストラの曲やハープソロ曲を10個紹介していきます♪
へみ
ハープの名曲は古典派時代と、少し間が空いて近現代に集中していました
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲
モーツァルトが作曲を教えていた、とある令嬢(ハープ奏者)と、その父親(フルート奏者)のために書かれた協奏曲です。
へみ
依頼されて作曲したにも関わらず、レッスン料や作曲料はほとんど貰えなかったという酷いエピソードも…
アマチュア奏者の二人が演奏しやすいような難易度、調性ですが、曲としては完成度がかなり高くて現代でも演奏機会がかなり多い名曲。
フルートとハープがどちらも「主役」で引き立てあう構成が素晴らしく、クラシック初心者さんでも分かりやすいですよ。
ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ハープ+弦楽合奏の協奏曲風の作品です。
へみ
東洋風の旋律・ハーモニーがふんだんに使われた、とても幻想的な小品♪
半音階が演奏できるハープのために書かれたとあって、ハープの和音が「上りと下りで音階が全く違う」という場面が多々出てきます。
斬新で美しいハーモニクスが得意だったドビュッシーらしさにあふれている名曲です。
ラヴェル:序奏とアレグロ
ハープとフルート+クラリネット+弦楽四重奏のための七重奏の曲です。
実はこの曲、前述の「ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲」に対抗して作られたんです。
ドビュッシーがプレイエル社というハープメーカーから依頼されたのに対抗し、エラール社というハープメーカーがラヴェルに作曲を依頼したのがこの曲。
へみ
結果的に、エラール社のハープに軍配があがって今日のハープの形となりました。
ラヴェルの代表曲「水の戯れ」を思わせる複雑な和声が印象的なこの曲は、半音ペダルを巧みに駆使しないといけないハープの難曲です。
ベルリオーズ:『幻想交響曲』から第2楽章
幻想、というのは失恋のなかアヘンを吸って「好きだった女性の幻影」を見る…というニュアンスです。
へみ
実際にベルリオーズもアヘンを吸いながら作曲したとか。音楽史を塗り替える名曲になったのもなんだか納得ですよね
2楽章は恋人と舞踏会で再会するという背景で、この交響曲の中で唯一「癒し」の時間が流れます。
ハープは少なくとも4台ある事が好ましい、とされている事もあってハープのアルペジオは圧巻の華やかさが魅力です。
参考:フランス音楽で有名なクラシック作曲家って誰?フランス印象派以外の音楽家も紹介
サン=サーンス:ヴァイオリンとハープのための幻想曲
曲の雰囲気としては、サン=サーンスの「ピアノ+ソロ楽器」のソナタと同じ感じなのですが、伴奏がピアノからハープに替わるだけでぐっとファンタジックな雰囲気が増しています。
ハープソロの部分も多いのですが、特筆すべきは「ハープの音域をめいっぱい使っている」事。
響きにくい高い音もがっつりパッセージに入っているので、ハープの音色を余すことなく楽しめます。
ヘンデル :ハープ協奏曲
恐らく世界最古のハープ協奏曲で、ハープのレパートリーの中でも貴重なバロック曲となっています。
ハープは「天使の楽器」とも呼ばれますが、まさにこの曲は神々しい…!
多幸感にあふれていて、とても前向きな気持ちになれそうな曲です。
チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」より花のワルツ
冒頭から華やかなハープのアルペジオ、それに続く長大なハープのソロが見どころの曲です。
へみ
「おとぎの国」の演出にはハープのソロが欠かせませんよね♪
誰もがすぐ覚えられるシンプルなメロディの華のワルツですが、ハープを始めとする装飾があって初めて成り立つとも言えるでしょう。
マーラー:交響曲第5番 第4楽章
映画「ヴェニスに死す」で使われたことで一躍有名になった曲です。
へみ
交響曲ですが、この楽章は弦楽器とハープだけで演奏されます。
ゆったり流れる弦のメロディとハーモニーが主体ですが、ハープが拍を入れることでぐっと締まるのが特徴的。
リムスキー・コルサコフ:組曲「シェヘラザード」
第1曲の冒頭、ヴァイオリンソロの伴奏からはじまり、ハープの特性であるアルペジオやグリッサンドが多用されています。
実はハープは主人公シェヘラザードのモチーフとして使用されているとの事。
王を引き付ける妖艶な養子や、内に秘めたる聡明さ、といった雰囲気を出すのに一役買っています。
フォーレ:塔の中の王妃
ハープ1台だけで奏でられる曲です。
塔の中に閉じ込められている女性の心のうちを表現しているこの曲は、ハープの透明感ある音色と天に上るような響きがフォーレの和声進行にぴったりはまっています。
直観的に「美しい」と思える曲で、作業用BGMや寝る前のリラックスタイムに聴くのもおすすめですよ。
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ハープの名曲はオーケストラの楽曲のほかにハープ1つでの録音も多数あります。
へみ
ピアノと音域がほぼ同じのハープは、ピアノ曲をカバーした音源も豊富なんですよ
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