クラシック音楽といえば、ドイツが本場だというイメージを持つ人が多いでしょう。
まさに「クラシック音楽の基礎」を作り上げたのはドイツの作曲家たちで、今でも愛される名曲ばかり。
この記事では、そんなドイツ出身の作曲家のうち、音楽史の中でも重要な10人の作曲家を紹介します。
目次
ドイツのクラシック音楽の歴史
クラシック音楽は17世紀ごろからの音楽を指しますが、前身は聖歌などの教会音楽です。
教会にはパイプオルガンが設置されていましたが、16世紀ごろからペダルの数や鍵盤の数が増え、どんどん演奏の幅が広がっていきました。
へみ
特にドイツのパイプオルガンは、他国のパイプオルガンに比べてかなり大規模で、これがなければドイツのクラシック音楽は発展していなかったかもしれませんね。
パイプオルガンがほぼ今のような「完成系」になったのは1700年代。ちょうどJ.S.バッハが教会に雇われていた時代でした。
ドイツ3Bって?
ドイツ音楽の礎を築いたのは、間違いなくJ.S.バッハです。
そのバッハの音楽を発展させたのがベートーヴェンなどの古典派作曲家たちで「交響曲」という一つのジャンルが作り上げられました。
その後、第二のベートーヴェンと呼ばれるブラームスが活躍したロマン派時代では、ドイツオペラやドイツ歌曲などの叙情的表現がどんどん発展していきました。
へみ
バッハ、ベートーヴェン、ブラームスの3人は、ドイツの偉大な作曲家3人組という意味で「ドイツ3B」と呼ばれています。
1900年以降のドイツクラシック音楽は?
実は、ドイツ出身のクラシック音楽家は、1900年代以降はあまり有名な人がいません。
1900年代というと、フランス出身のドビュッシーやラヴェルが活躍した「印象派時代」で、あまりドイツ人作曲家が世界のブームを作ることはありませんでした。
へみ
とはいえ、古典派時代から愛されるクラシック音楽の「きまりごと」を守りながら作曲していたフランス人作曲家も多いです。
ドイツで生まれたクラシック音楽の形式美が、時を超えて愛されていることが分かりますよね。
【バロック~古典派・ロマン派】ドイツ出身のクラシック作曲家10人
それでは、ドイツクラシック音楽で重要な作曲家を10人紹介します!
それぞれの代表曲も紹介するので、ぜひ時代の移り変わりを楽しんでみてくださいね。
ヘンデル(1685-1759)
同い年のバッハが教会音楽を中心に作曲したのに対し、ヘンデルは若いころからイタリアやイギリスに拠点を置き「オペラ」を中心としたエンターテインメント音楽を多く作曲しました。
代表曲は「水上の音楽」です。
へみ
ドイツで活躍していた時代の君主が、移住先イギリスの王になった(衝撃!)際、お祝い用に作曲されたと言われています。
宮廷音楽らしい華やかさがあり、ドイツの教会音楽・イタリアのオペラ・イギリスの宮廷音楽がミックスされた、時代を象徴する音楽だと言えるでしょう。
J.S.バッハ(1685-1750)
言わずと知れた「音楽の父」です。
通奏低音や対位法といった、クラシック音楽の基礎を作り上げたバッハですが、意外にも当時は「ふつうのサラリーマン」でした。
へみ
教会の雇われ音楽家で、家庭をもち、毎日教会でオルガンを弾いてお給料を貰う、といったほぼルーティン化された生活を送っていたようです。
ですが作曲された膨大な曲は、緻密な計算のもと作られていたことがロマン派時代に発覚。
今でもバッハの音楽を研究する人が絶えません。
ベートーヴェン(1770-1827)
音楽の常識を大きく変えたベートーヴェン。
へみ
宮廷やお金持ちから依頼されて作られるものだった音楽を「作りたいものを作って、収入を得る」という方向に変えました。
まさに「音楽を芸術にした」のがベートーヴェンなんです。
1曲で70分を超える「交響曲」を確立させたり、ピアノやオーケストラをクラシック音楽の代名詞にしたりと、音楽の可能性を大きく広げた偉大な作曲家です。
ウェーバー(1786-1826)
1700年代までは、オペラと言えばイタリアオペラが主流でした。
ウェーバーは、そんなオペラ界に一石を投じた人物。
へみ
歌い手のアリアよりも、オーケストラや物語を充実させて「全体的に満足感がある」エンターテインメントを目指しました。
題材が神話などのファンタジックだったことも当時の人々にウケ、ドイツオペラを見事クラシック音楽界に確立させました。
メンデルスゾーン(1809-1847)
斬新な新しい音楽よりも、古き良き時代の音楽を愛したメンデルスゾーン。
バッハのマタイ受難曲を20歳の時のコンサートで演奏し、当時あまりドイツでは知られていなかった「偉大なバッハ」を世に知らしめた立役者です。
ゲーテやシェイクスピアなどの文豪からインスピレーションを受けることが多く「真夏の夜の夢」もシェイクスピアの作品がモチーフになっています。
シューマン(1810-1856)
ドイツ「ロマン派」と言えば、シューマンの音楽だと言っても過言ではありません。
ピアノ曲を数曲聴いてみると分かるのですが、常に空想しているような「着地しない感」があります。
へみ
ロマンチックな甘さ、激情的な描写など、気持ちが表現されたような曲の数々は1800年代のドイツ音楽の象徴です。
ワーグナー(1813-1889)
歌劇王と呼ばれるワーグナーは、オペラの台本から作曲まですべて自分で作るほどの才能あふれた作曲家です。
へみ
音楽家としてだけでなく、脚本家、評論家、思想家としての影響も強く、そのカリスマ性に惹かれた熱狂的ファンは「ワグネリアン」と呼ばれました。
ワグナーは、オペラの中で1曲1曲が途切れるのを嫌い、シーンとシーンの間にも途切れなく音楽を敷き詰めました。
そのためワグナーのオペラは、最初から最後まで1つの流れがある壮大な作品となっています。
なぜ嫌われる?リヒャルト・ワグナーの名曲5選を彼の半生とともに紹介
オッフェンバック(1819-1880)
ワグナーなどのドイツオペラは、1回上演するのに6時間~15時間ほどかかります。
へみ
もう少し内容が軽く、気軽に聴けるのが「オペレッタ」で、19世紀後半から流行し始めました。
オッフェンバックはそんなオペレッタの基礎を作った人物で、純粋に「愉快」を追求した喜劇を残した作曲家です。
有名なのが日本の運動会でもおなじみの「天国と地獄」で、ワクワクするようなリズムの刻み方はまさにオッフェンバックらしいと言えるでしょう。
ランゲ(1830-1889)
「エーデルワイス」や「花の歌」など、ピアノの小品を多く残した作曲家です。
あまりクラシック音楽界全体では目立たない存在ですが、ピアノを弾いたことがある人は一度は耳にしたことがあるでしょう。
ロマンチックで流れるようなメロディを駆使した作品が多いので、ピアノ初級~中級者の発表会にもよく選ばれます。
ブラームス(1833-1897)
第二のベートーヴェンと呼ばれるブラームスですが、意外にもほかの作曲家に比べて年下です。
へみ
意外にも、というのは、作風が古典派の流れをかなり残しているからです。
ブラームスはドイツ音楽の「完成系」といったところで、バッハ時代の対位法やベートーヴェンの時代の厳しい作曲ルール、さらにはロマン派の秘めたる情熱が融合しています。
それでいて「ドイツらしい気品」がきちんと全面に出ているので、ブラームスは緻密な計算のもと作曲を行っていたことが伺えます。
ドイツクラシック音楽の聴きどころ
ドイツのクラシック音楽は、フランスやイタリアの音楽に比べて
- 重厚な響き
- 内省的な表現
- 計算された形式美
といった特徴が色濃く表れています。
オーケストラを聴く場合は、スピーカーやイヤフォンにこだわって「全体的な厚み」を感じてみましょう。
また、バロック時代~古典派にかけての「クラシック音楽の作曲技法」について軽く勉強しておくのも面白いです。
へみ
あ、こんなところに主題が隠れていたな、など発見がありますよ
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