「パパからもらった~」でおなじみの楽器、クラリネット。
オーケストラの中では中音域を担当し、人数は2~4人で舞台に乗っています。
へみ
クラリネットの音色と聞いて、あまり思い出せない人も多いのではないでしょうか?
ちょっと影が薄くなりがちなクラリネットですが、実はなんでもこなせる万能選手!
そこでこの記事では、クラリネットの特徴やクラリネットの名曲について解説していきます。
目次
クラリネットってどんな楽器?
クラリネットはリード楽器の1種。マウスピースに葦で出来たリードを固定し、息を吹き込んでリードを振動させて音を出します。
また「移調楽器」という、ドの運指でも「シ♭」や「ラ」など別の音が出る特殊な楽器です。
へみ
なので、曲の調性によって2本の楽器を持ち替えて演奏します!オーケストラではクラリネット奏者の足元にもう1本楽器が控えている事が多いですよ♪
クラリネットの音色と音域
クラリネットの音色は「ポー」と表現するのがぴったりな、丸みのある音です。
へみ
高音域は甲高い感じで、中~低音域は素朴な柔らかい響き♪
音域はスタンダードなB♭管でD3~G6くらいで、だいたいヴィオラと同じくらいです。
ちなみにもっと高い音も倍音によって出せますが、オーケストラで吹くことはまれですね。
クラリネットのオーケストラでの役割
クラリネットの強みの一つである「音色のなじみやすさ」は、オーケストラで引っ張りだこです。
へみ
和音の一部になってみたり、メロディのハモりパートであったり、もちろん随所にソロも散りばめられています。
もう一つ、クラリネットの隠れた武器が「聴こえないくらいの小さい音が出せる」事。
無音状態から音の始まりが分からないようにクレッシェンドしていけるので、曲中の雰囲気を徐々に変えていくときには欠かせない存在です。
クラリネットの名曲10選
それでは、クラリネットの名曲を10個ご紹介します!
実は、クラリネットの名曲は「作曲家の晩年に書かれている」事が多いんです。
へみ
作曲家の円熟味が感じられて、しみじみ聴きたくなるような曲ばかりなんですよ♪
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調
モーツァルトの友人にクラリネットの名手(シュタードラー)がいたのですが、その彼の演奏に心打たれて書かれた曲です。
クラリネットは当時開発されたばかりの楽器でしたが、弦楽器と見事にマッチさせたモーツァルト。
へみ
クラリネットの特徴である「丸く透き通るような音色」が存分に発揮される曲です。
1~4楽章すべて長調の曲ですが、1楽章や3楽章に頻繁に表れる「短調の和音」が絶妙な憂いの表情を見せています。
モーツァルト:クラリネット協奏曲
モーツァルトが亡くなる数か月前に書かれた曲で、クラリネット五重奏曲同様に、シュタードラーのために書かれた協奏曲です。
クラリネット五重奏曲に比べて「急に低音から高音に跳躍する」という音形が多く取り入れられているのが特徴。
へみ
というのもクラリネットは2オクターブくらいの跳躍はお手の物で、音色の違いによる表情の変化が面白いんですよ
オーケストラの中でのクラリネットの役割を決定づけたような協奏曲で、のちの作曲家の交響曲にも多大なる影響を与えたと言われています。
ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調
晩年、創作意欲を失って隠居生活を送っていたブラームス。そんなときに出会ったのがクラリネット奏者のミュールフェルトでした。
ミュールフェルトの演奏に感化されたブラームスは、この年からクラリネットの曲を次々に発表。
へみ
この五重奏曲は初演から大人気で、現在でも「ブラームスの代表作」と称されています。
1楽章がソナタ形式、2楽章がアダージョ、3楽章がスケルツォ、4楽章が変奏曲、というのはモーツァルトの5重奏曲へのリスペクトの現れ。
ですが曲調はブラームスらしい円熟した響きで終始しています。
ブラームス:2つのクラリネットソナタ
クラリネット5重奏曲の3年後に発表された曲で、1番・2番のセットになっています。
情熱的で勢いのある1番と、癒し要素が満載の2番。全く表情が違う2つのソナタですが、いくつかリンクしているフレーズがあるので面白いです。
ちなみに2つのソナタはブラームス自身により「ヴィオラソナタ」に編曲されています。
クラリネット版もヴィオラ版も甲乙つけがたい良さがあるので、ぜひ聴き比べてみてくださいね。
ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー
ジャズとクラシック音楽の融合が楽しいラプソディー・イン・ブルー。
ジャズ的要素を表現するのに、クラリネットは欠かせない存在です。
特に冒頭のグリッサンド。他の楽器では半音階になってしまうところですが、クラリネットは「ういーん」と滑らかに駆け上がることができます。
へみ
グリッサンドは結構難しくて、腹筋でのコントロールも必須です…!
ボロディン:韃靼人の踊り
「泣けるクラシック」でも紹介したこちらの曲ですが、クラリネットが結構活躍しています。
冒頭の平和な主題をはじめ、中間部の速い部分でも高音でテクニカルなパッセージを吹いています。
韃靼人(異国っぽさ)を表現するのにクラリネットは最適な音色をしていると考えられていて、ボロディンや同じロシアのチャイコフスキー、ドヴォルザークなんかも異国風のメロディをクラリネットに割り当てることが多いです。
アンダーソン:クラリネット・キャンディ
アンコールピースとしても人気の曲です。
4本のクラリネットが目まぐるしく演奏すると、まるでキャンディのようなポップな響きに大変身。
へみ
クラリネット4人それぞれが速いパッセージを演奏しているので、気を抜くとすぐに空中分解してしまいます…!
サン=サーンス:クラリネットソナタ
どこか「白鳥(動物の謝肉祭)」を思わせるようなロマンティックな雰囲気のソナタです。
サン=サーンスが亡くなった年に書かれた曲で、彼の真骨頂である「古典的」で簡潔な、小さな4つの楽章からなります。
20世紀のクラシック音楽となるので、サロン風や映画音楽風にビブラートをかけている音源が多いのも特徴。
へみ
個人的にはビブラートなしでも表情豊かな音源の方が好きですが…
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲
オーケストラのオーディションでもよく用いられるのが、魔弾の射手の序曲です。
この曲にはクラリネットソロで演奏される重要な主題があって、物語の中核になっていきます。
深い森を思わせるような神秘的なメロディが、クラリネットのあたたかな響きにぴったりです。
クラリネット・ポルカ
日本のテレビ番組(特にお料理のシーンが多い気がします…!)でよく流れるこちらの曲ですが、実は作者不明の曲です。
軽快なアルペジオ(分散和音)とポルカ的なトリルが印象的で、クラリネットの魅力がたくさん詰まっています。
クラリネット独特の「ポポポン♪」というスタッカートも、聴いていて面白いですよね。
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新しい楽器にもかかわらず、今ではオーケストラになくてはならない存在になったクラリネット。
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