「個性が光る」とウワサのfinalのBシリーズ。
中でも今回ご紹介する「B2」は、クラシック音楽やコンサート音源向きのイヤホンだと言われています。
へみ
これはクラシック音楽が専門の私としてはハズせない…!
イヤホンの中でも最高級(もちろんお値段も…!)に位置するB2なので、購入をためらっている方もいるかもしれません。
この記事ではfinal B2をクラシック音楽家目線でレビューしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
目次
final B2の基本スペック
まずは、簡単にfinal B2のスペックや特徴を紹介していきます。
型番 | FI-B2BSSD |
素材 | ステンレスブラスト仕上(ガンメタリック) |
ドライバー | BA(バランスドアーマチュア)型ドライバー |
感度 | 109dB/mW |
インピーダンス | 41Ω |
重さ | 32g |
ワイヤーの長さ | 1.2m |
ワイヤレス対応 | × |
イヤーフック | 有(取り外し可) |
特筆すべきは「インピーダンスの高さ」です。
finalのイヤホンの中でもダントツに高いので、音が小さく鳴る場面でボリュームを上げても、ノイズが入りづらいというメリットがあります。
へみ
逆に大音量の場面では「鳴りづらい」と感じる人もいますが、音割れのリスクも少なく快適に聴けるでしょう。
そのほか公式ページを確認すると、
- 全帯域にわたって強調感が少なく、自然で滑らかなサウンド
- カスタマイズしたかのような圧迫感の少ない装着感
- 特に音場感に富んだ録音に適したモデルで、クラシックに最適
といった「こだわりポイント」が詰まっていました!
final B2をクラシック視点で徹底レビュー!
音場感に富んだ音源が得意、と公式説明にあるB2ですが、クラシック音楽はどのように聴こえるのでしょうか?
クラシック音楽といっても人数や楽器により雰囲気がガラリと変わるので、
- ピアノ曲
- 室内楽曲(アンサンブル)
- オーケストラ曲
- バロック音楽
- オペラ
の5種類で聴き比べしてみました♪
final B2でピアノ曲を聴いてみた
【おすすめ度:9点/10点】
適度に粒感があり、それでいてまろやかに聴こえます。
特に高音部のキラキラ感は、同じfinalのE3000にさらに磨きがかかっていて魅力的です。
ただ、逆に性能を持て余している感があり…B2でソロ曲を聴くのは少しもったいないかもしれませんね。
final B2で室内楽を聴いてみた
【おすすめ度:9点/10点】
全体にまとまり良く聴こえ、かといって解像度が低い感じもせず「生演奏を聴いている」のに近い感覚で楽しめました!
普段重低音が得意なイヤホンで聴いていると、低音パートがやや弱く聴こえるかもしれません。
参考:スコア(総譜)を見ながら聴きたいクラシック音楽10選!スコアリーディング入門
final B2でオーケストラを聴いてみた
【おすすめ度:10点/10点】
B2の本領発揮です!
幅広いダイナミクスもきっちり表現してくれ、さらに楽器の位置関係や個人の音色まで繊細に聴こえてきます。
へみ
何気なく選んだコンサート音源でも、一級品の演奏に様変わりです
逆にイマイチな演奏だと「粗が目立ちやすい」ので、音源を選ぶ耳もどんどん肥えていきますよ。
final B2でバロック音楽を聴いてみた
【おすすめ度:9点/10点】
音質に硬さが生まれやすいヴァイオリンやチェンバロ、オーボエといった楽器が、ふんわり柔らかく響いて温かみが増します。
室内楽同様に「少し低音部が物足りない」感じはしますが、生演奏を聴いた時に近いと思うと納得。
final B2でオペラを聴いてみた
【おすすめ度:10点/10点】
個人的にオーケストラよりも「音場感が求められる」オペラ。
舞台上のどこで歌っているか、オーケストラとのバランスはどうか、といった聴き比べにもB2はきっちり対応できます。
歌がスコーン!と抜けてくる感じがないのに、自然と歌が際立って聴こえるのもgoodです。
final B2でクラシック音楽を聴くなら?おすすめ5曲
final B2で5曲聴き比べを行いましたが、とにかくオーケストラやオペラなど大規模な曲が素晴らしかったです!
へみ
ガツンと鳴りすぎる感じもなく、繊細さを残しながら音場感・立体感を感じられます。
とりわけ美しく感じたのが「木管楽器」「高音パート」です。
そこでfinal B2で聴くのにぴったりな曲として「木管楽器が活躍するオーケストラ曲」を5曲紹介します♪
ラヴェル:クープランの墓
オーボエ・クラリネット・ファゴットといった「リード楽器」の活躍が目立つクープランの墓。
それぞれの楽器が別々の旋律を奏でながら盛り上がる場面が多いので、1つ1つの楽器が聴こえやすいB2で聴くと、楽器同士の絡みがよく分かりますよ。
参考:【クラシック音楽】モーリス・ラヴェルの生涯を7曲の名曲ともに解説
ボロディン:韃靼人の踊り
オーボエ・イングリッシュホルンの「泣けるメロディ」や、クラリネットソロで始まる「少年たちの踊り」など、木管楽器が場面を切り替えることが多い曲です。
音源によっては、木管楽器がどこか無機質に聴こえることも多いのですが、B2だと温かみある美しい音色で引き込まれます。
モーツァルト:オーボエ協奏曲 第1番
オーボエの音域は狭いのですが、ちょうどB2の得意な音域とかぶっている印象です!
オーケストラの中でも埋もれず、かといって頑張って鳴らしているようなキンキンした感じもなく、しっとりした音色が耳に心地いいです。
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
シェエラサードは緩急、ダイナミクスの幅がとても広い楽曲です。
へみ
ハープの伴奏+ヴァイオリンソロ(シェエラザードのテーマ)の静かな場面から、打楽器総動員の大荒れな場面まで、普通のイヤホンだとボリュームの上げ下げが必須なんです。
がっつり盛り上がる場面は、ボリュームが大きいうえに激しくリズムが刻まれているのですが、B2なら音割れもせず繊細さを残したまま聴こえます。
参考:【クラシック音楽】ロシアの作曲家はどんな人がいる?ロシア5人組の関係とは
参考:【クラシック音楽】ハープの音色の特徴と名曲10選
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
木管楽器とピアノのトリッキーな絡みが面白い「プロコのピアコン3番」
フルートの素早いパッセージは、通常のイヤホンだと「何か通り過ぎていった」くらいの感覚なのですが、B2ならパッセージに含まれる音の粒が際立ちます。
またピアノのソロは音がとがりやすい楽曲なのですが、スケルツォっぽさを残しながら艶っぽい音に聴こえます。
final B2のここがすごい
他にもfinal B2には魅力がたくさん!
- 修理可能な躯体とリケーブルできる仕組みで長く使える
- ステンレス製で金属アレルギーの人にも安心
- 背面に小さな開口部があり、長時間聴きに向いている
総じて「長時間聴くのに全くストレスがない」イヤホンです♪
修理可能な躯体とリケーブルできる仕組みで長く使える
B2は分解修理が可能となっていて、不具合が生じたり経年劣化したパーツがあっても交換しながら長く楽しめます。
またケーブルも簡単に付け替え可能で、新たな音質を求めてリケーブルする事も可能です。
3点で保持する装着スタイルで安定感抜群
全面に金属感が押し出されていないB2ですが「MIM」という手法で作られたステンレス製のイヤホンです。
MIMとは、金属微粉末とバインダーを混ぜ、樹脂のように金型で成形した後、高温で焼結し、形状を整える方法です。樹脂の成形品と同様に形状の自由度は高く、金属でありながら複雑な形状の内部設計が可能です。
参考:final B2
これにより金属製でありながら自由な形状になっていて、イヤーフックなしでもぴたっと耳に収まります。
樹脂製に比べてやや重たいのですが、耳にフィットすれば重さは気になりません。
ケーブルはタッチノイズを考慮して、柔らかくしなやかな被覆素材を採用。
最初B2を持った時に「柔らかっ!」と感動しました。
耳に入る部分は重さもあって頑丈さもあるのですが、対するケーブルはしなやかさ抜群。
どんな体勢で音楽を聴いても、ノイズや違和感はありません。
final B2レビューまとめ
クラシック音楽愛好家の視点からfinal B2のレビューをしました!
良かった点としては
- 音場感・立体感に優れる
- 特に中~高音が艶っぽく美しい
- ボリュームの幅がある作品も、音質が乱れない
- オーケストラなど大規模な作品は圧巻
といったポイントが素晴らしかったです!
逆に少人数や1人の演奏は性能を持て余すかもしれませんが、クラシック音楽で特にオーケストラや吹奏楽の作品をよく聞く人には間違いないイヤホンですよ♪