みなさんはクラシック音楽をどうやって聴いていますか?
スマートフォンにイヤホンを挿して聴く方、大掛かりなオーディオセットを自宅に作った方もいれば、クラシック音楽はテレビで流れるのを聴く程度、という人もいるでしょう。
実はクラシック音楽は「生の音」を楽しむのが醍醐味!
手軽に本格的なクラシック音楽を聴くなら、イヤホンに投資するのが大正解なんです♪
目次
クラシック音楽をイヤホンで聴きたい!選び方のポイントは?
クラシック音楽は、デジタル音ではなく「生の音」を楽しみたい音楽です。
演奏したその瞬間の音は、たとえ同じ奏者だとしても全く同じ音は再現できません。
へみ
息遣いや、ホールに響いて消えていく様子、音の「とがり具合」など、奏者や演奏場所によって全く異なります
そんな繊細なクラシック音楽を聴くイヤホンなので
- 高解像度で細かな音を聞き逃さない
- 中~高音が聴きやすい
- 低音の心地よい響き
- 音場の広がりや音の定位をしっかり掴める
- 長時間聴いても疲れない軽さ
といったポイントを押さえた商品を選びたいですね♪
クラシック音楽におすすめのイヤホン5選
それでは早速、クラシック音楽を聴くのに向いているイヤホンを5つ紹介していきます!
今回聞き比べたのは以下の5種類。
イヤホン名 | 特長 | 向いているジャンル |
---|---|---|
final E3000 | クリアで細かな装飾もはっきり聴こえる | ピアノ曲(特にフランス印象派) |
ゼンハイザー IE100 Pro | ガツンとパワフルなシーンが得意 | 大編成のオーケストラ作品 |
SHURE SE215(AONIC 215) | 温かみある中音域、適度なクリアさ | 後期ロマン派の室内楽 |
final B2 | 音の透明感とホールの立体感を完全再現 | 木管楽器が活躍するオーケストラ曲 |
ゼンハイザー IE300 | 中低音域が異次元、音の奥にある”感情”が分かる | 後期ロマン派のオーケストラ作品 |
私が実際に聴いて「よかった!」と感じた点もお伝えしていくので、参考にしてみてくださいね。
ちなみに今回は、秘密兵器のこちらを使用して快適に聴き比べを行いました!
スマホとBluetoothで接続するちっちゃなDACの「ifi audio GO blu」です♪
スマホで音源を聴く人などは、DACを使うと音質がぐっと良くなるので1つ持っておいて損はありませんよ。
あと、iPhoneなどオーディオジャックが無いスマホでも、GO bluを通じて有線イヤホンが使えるのが最高に便利です^^
イヤホンの聴き比べに使った楽曲はこちら!
イヤホンを聴き比べるのに、全然違う楽曲や音源を使うと比較できません。
なので、今回は「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番」で聴こえ方を比較レビューしていきたいと思います♪
ラフマのピアコン2番を選んだ理由は
- 楽器編成のバランスが良い
- ピアノソロも充実している
- イヤホンでは聴きづらい「低音」と「小さい高音」が多め
という点です。
へみ
特に楽器編成にはこだわっていて、トロンボーンやチューバなどの低音担当の金管楽器が含まれている曲が良かったんです。
この曲は表情豊かでファンも多いのですが、安いイヤホンだと解像度が低くて「音がモヤモヤする」部分も多く、小さい音の部分は音量を上げる必要もあります。
そんなラフマのピアコン2番がどのように変化して聴こえるかをレビューしますね。
①final E3000
音のクリアさ | ★★★★★(5/5点) |
高音域 | ★★★☆☆(3/5点) |
低音域 | ★★★☆☆(3/5点) |
pp(ピアニッシモ) | ★★★★☆(4/5点) |
ff(フォルテッシモ) | ★★★☆☆(3/5点) |
比較的「お手頃価格」かつ高音質なのでコスパ抜群!のイヤフォンです。
あえて強調した音域を作らないことによって、ナチュラルな音質が追求されています。
①final E3000のここがすごい
とにかくピアノの粒がはっきり聴こえるクリアさが魅力!
オーケストラが総動員の場面でも、ピアノソロがどのようなパッセージなのかがはっきり分かります。
へみ
安いイヤフォンでもやもやしがちな高音のピアニッシモもはっきり聴こえるので「どのパートの動きも聴き逃したくない!」という方におすすめです。
逆にクリアすぎるので、楽器が多い&フォルテッシモの場面は耳が混雑するかもしれません。
①final E3000で聴きたいクラシック曲3つ
final E3000で聴くラフマニノフは、とにかくピアノソロが美しかった!
ピアノ1音1音はもちろん、打鍵した瞬間の独特のハンマー音や、息遣いまで聞こえてきます。
というわけで、こちらのイヤフォンでは3つのピアノ曲を紹介させていただきます。
まずはラヴェルの「水の戯れ」
続いては、リストの「ラ・カンパネラ」
最後に、メンデルスゾーンの「春の歌」です。
いずれも有名な曲なのですが、意外と細かい内声の装飾は聞き流されがちな曲です。
final E3000で聴くと、驚くほどの透明感ある音色にうっとりできますよ。
②ゼンハイザー IE100 Pro
音のクリアさ | ★★★☆☆(3/5点) |
高音域 | ★★★★☆(4/5点) |
低音域 | ★★★☆☆(3/5点) |
pp(ピアニッシモ) | ★★★★☆(4/5点) |
ff(フォルテッシモ) | ★★★★★(5/5点) |
パワフルな音の響きを追求したゼンハイザー IE100 Pro。
重低音が響くダイナミックな曲でも、音がブレないよう設計されているのが特徴です。
②ゼンハイザー IE100 Proのここがすごい
ゼンハイザー IE100 Proですが、オーケストラの中でも「ガツンと響く」場面で真価を発揮するように思いました!
ピアノソロの部分や、木管楽器との絡みは「普通」な感じなのですが、金管楽器やヴァイオリンが総動員の華やかな部分は圧巻の音質です。
へみ
クラシック音楽のフォルテッシモは、解像度が高すぎると「耳が渋滞する」感覚になるのですが、ゼンハイザー IE100 Proはバランスが取れています。
②ゼンハイザー IE100 Proで聴きたいクラシック曲3つ
オーケストラのフォルテッシモに耐えうるゼンハイザー IE100 Proなので、大規模なオーケストラの作品が良く合います。
大人数オーケストラの代名詞的な「マーラー 交響曲第1番 ニ長調 ”巨人”」
続いては、ホルストの組曲「惑星」より木星
3曲目はワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より前奏曲です。
音が割れがちなトランペットや、シンバルなどのパーカッションも、きれいな響きを保ったまま耳に届きます。
オーケストラ特有の「ジャーン!」という響きを楽しみたい方におすすめのイヤホンです。
③SHURE SE215(AONIC 215)
音のクリアさ | ★★★☆☆(3/5点) |
高音域 | ★★★★☆(4/5点) |
低音域 | ★★★★★(5/5点) |
pp(ピアニッシモ) | ★★★★☆(4/5点) |
ff(フォルテッシモ) | ★★★★☆(4/5点) |
まろやかな音質が人気のSHURE SE215。
ポップスではベース音やバスドラムなどの響きが自然で、長時間聴き続けていても鼓膜への負担が少ないイヤホンです。
③SHURE SE215(AONIC 215)のここがすごい
SHURE SE215ですが、今回聞き比べたイヤホンの中では自然な解像度で実際ホールで演奏を聴いている時に一番近い感覚を受けました。
特に「美しい」と感じたのは、中~低音域の楽器群で、ヴィオラやチェロ、ホルンやトロンボーンなど、普段は目立ちにくい楽器が際立って聴こえます。
へみ
もちろん不自然な感じではなく、中~低音域がよく聴こえることで「包み込まれるような」感覚になれすよ。
聴こえてくる音自体のクリアさは他のイヤホンに比べるとそこまで…なのですが、ノイズがしっかり遮断されるので聴こえにくい感じはしません。
③SHURE SE215(AONIC 215)で聴きたいクラシック曲3つ
中低音がよく聴こえるSHURE SE215なので、弦楽(ストリングス)のみの曲や、ブラームス・ドヴォルザークといった渋みのある音楽が良く合います。
という訳で、おすすめ1曲目はチャイコフスキーの弦楽セレナーデ。
2曲目は、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」。
三曲目は、ブラームスの「ヴィオラソナタ1番 2番」です。
3曲に共通するのが「ヴィオラが活躍する」という事!
ヴィオラの低音域は、他の楽器にどうしても埋もれてしまいがちなのですが、SHURE SE215で聴くとしっかり聴こえます。
哀愁や内なる情熱、というキーワードがぴったりな3曲をお楽しみください♪
④final B2
音のクリアさ | ★★★★☆(4/5点) |
高音域 | ★★★★★(5/5点) |
低音域 | ★★★★☆(4/5点) |
pp(ピアニッシモ) | ★★★★★(5/5点) |
ff(フォルテッシモ) | ★★★★☆(4/5点) |
ライブ音源やコンサートホールでの録音を再現する事に優れたfinal B2。
楽器の位置関係やホールの反射板に響いている様子まで分かるので、イヤフォンだとは信じられないくらいの臨場感が楽しめます。
④final B2のここがすごい
final B2は、クラシック音楽を聴くと完全な「バランス型」です。
トータルでどの楽器も美しく聴こえ、かといってクリアすぎて音が渋滞するわけでもなく、小さい音からフォルテッシモまでボリューム調整なしでOK!
へみ
耳へのフィット感も抜群で、長時間聴いていてもまったくストレスを感じません♪
欲を言えば「フォルテッシモがもう少し柔らかいと良いな」というくらいですが、これは音源にも左右される事なのでマイナスポイントではないですね。
④final B2で聴きたいクラシック曲3つ
私はクラリネット(木管楽器)が専門という事もあり、結構木管楽器の音質には厳しい自負があるのですが、final B2はオーボエ・フルート・クラリネットの音が美しい!
というわけで、おすすめのクラシック曲は木管楽器が活躍する曲です。
1曲目はラヴェルの「クープランの墓」。
2曲目は、ボロディンの「韃靼人の踊り」
モーツァルトの「オーボエ協奏曲 第1番」です。
3曲とも「か細く消えてしまいそうなオーボエの高音」が、伸びやかに聴こえてきます!
中音域の目立たないクラリネットも、角がない音質のまま自然に届いたのには驚きました。
⑤ゼンハイザー IE300
音のクリアさ | ★★★★☆(4/5点) |
高音域 | ★★★★☆(4/5点) |
低音域 | ★★★★★(5/5点) |
pp(ピアニッシモ) | ★★★★★(5/5点) |
ff(フォルテッシモ) | ★★★★☆(4/5点) |
イヤホン内部の跳ね返りが最小限に抑えられ、よりクリアな音質が実現したIE300。
あたたかみある中音域やまっすぐ届く低音域が美しく、内からあふれ出るようなパッションを感じられます。
⑤ゼンハイザー IE300のここがすごい
ゼンハイザー IE300は、先述の「SHURE SE215」と同じく低~中音域がよく響くイヤホンです。
またクリアさは、直前に紹介したfinal B2に近いものがあり、贅沢な「いいとこ取り」な感じを受けました。
へみ
中音域の和音は通常「全体でドミソの和音だな」と聴こえる程度ですが、ゼンハイザー IE300は「ヴィオラが”ド”、チェロが”ミ”…」など、どの楽器がどの音を弾いているかまで分かります♪
⑤ゼンハイザー IE300で聴きたいクラシック曲3つ
中~低音域が美しく、かつ小さい音も逃さないクリアさを持つゼンハイザー IE300なので、後期ロマン派(1800年代後半)あたりの交響曲がよく合います。
まずは、ブラームスの「交響曲第4番」です。
続いては、スメタナのわが祖国より「モルダウ」。
最後はサン=サーンスの「チェロ協奏曲第1番」です。
実際に演奏していない人はなかなか聴き取れないチェロのバス音が「弓が当たる瞬間の音」までしっかり聴こえて感動!
それでいて楽器同士が上手く飽和していて、オーケストラ全体がまとまって聴こえるのは本当に素晴らしいです。
クラシック音楽を楽しむ環境は「イヤホン」から
たかがイヤホン、と侮るなかれ。
クラシック音楽に向いているイヤホンで音楽を聴くと、これまでのクラシック音楽のイメージが覆るかもしれません。
へみ
最近のイヤホンは「重低音重視」のものが多いので、クラシック向けのイヤホンで曲を聴くと、美しさに驚きますよ♪
コンパクトで場所を取らないイヤホンは、初期投資にぴったり
クラシック音楽を楽しむためにアンプやスピーカーを組むのも良いですが、その場合は10~30万円ほどの予算が必要です。
へみ
さらに、オーディオセットを組むスペースや、防音設備も必要ですね
それに対しイヤホンであれば、5万円も出せば超高級品が手に入ります。
さらに収納や鑑賞にスペースが必要ないので、初期投資に向いています。
クラシック音楽をイヤホンで聞くと、耳に優しい
自宅のスピーカーからクラシック音楽を聴こうとすると、どうしてもpp(ピアニッシモ)の音が散らばって消えてしまいます。
ある程度ボリュームを上げないといけないのですが、そうするとff(フォルテッシモ)が大きすぎて耳に良くありません。
イヤホン(特に遮音性の高い優秀なイヤホン)であれば、どんな小さい音も逃さないのでボリュームを上げすぎる心配がありません。
まるでコンサートホールにいるような臨場感で楽しめる
クラシックに合った機能のイヤホンでクラシック音楽を聴くと、まるでコンサートホールや奏者が近くで演奏してくれているような臨場感で楽しめます。
特にクラシック音楽を自分で演奏した経験のある人なら、プロの「間合い」や「表現力」に驚かされるはずです。
高音質音源を探すならAmazonミュージック
良いイヤホンを手に入れたら、音源にもこだわってみましょう!
当ブログでおすすめしているAmazonミュージックは、ハイレゾ音源も多数そろう音楽サブスク。
きちんと録音された楽曲はもちろん、世界各国で行われたコンサート音源も、月額980円で聴き放題♪
ポップスやジャズも合わせると、曲の総数は1億(!)を超えます。
イチからCDを買いあさるよりも効率的に音源を手に入れられるので、ぜひこの機会にAmaozonミュージックをお試ししてみてくださいね。