世界中のミュージシャンに愛用されているSHURE。
SE215(AONIC 215)は、SHUREのエントリーモデルながら高い遮音性と豊かな低音で、現役のプロミュージシャンにも使われることが多い商品です。
へみ
そんなSE215(AONIC 215)を、クラシック音楽をよく聴く私の目線でレビューしていこうと思います!
クラシック音楽を聴いたときの音質、得意な楽器、得意なクラシックのジャンルなどを徹底解説するので、ぜひご覧ください♪
目次
SHURE SE215の基本スペック
まずは、簡単にSHURE SE215のスペックや特徴を紹介していきます。
型番 | SE215SPE-A(トランスルーセントブルー) SE215SPE-PL-A(パープル) SE215-CL-A(クリア) SE215-K-A(トランスルーセントブラック) |
ドライバー | ダイナミック x1 |
感度 | 107 dB SPL/mW (1kHz) |
インピーダンス | 17Ω (1kHz) |
重さ | 30g |
ワイヤーの長さ | 長さ116cm : ブルー/パープルに付属 長さ162cm : クリア /ブラックに付属 |
ワイヤレス対応 | リケーブルにより可能 |
イヤーフック | 有 |
SHUREイヤホンのエントリーモデルであるSE215ですが、プロにも人気の理由のひとつとして「リケーブル」のカスタマイズが多彩だという事が挙げられます。
ワイヤレス、SHUREの上位モデルのケーブルに接続しなおす事はもちろん、MMCX 3.5mmという端子であれば、他社製品のケーブルでもリケーブル可能です。
他にも公式サイトによると
- 高遮音性!周囲の騒音を最大37dB遮断
- 豊かな低域を持つスタジオ級のサウンド
- MMCX着脱式3.5mmステレオミニプラグケーブルで、ワイヤレスを始めとする様々なカスタマイズが可能
といった特徴がありました。
へみ
音域的には低音域が得意で、ポップスやインストのアーティストに人気なのも頷けます。
付属のケーブルで聴くと「あたたかい音」「豊かな低音域」が音の特徴となるのですが、リケーブルする事によりガラリと音質を変えることもできる、汎用性の高いイヤホンです♪
SHURE SE215をクラシック視点で徹底レビュー!
低音が得意で、ウォーム感・ウェット感ある音質のSHURE SE215ですが、クラシック音楽を聴くとどんな風に聴こえるのでしょうか?
- ピアノ曲
- 室内楽曲(アンサンブル)
- オーケストラ曲
- バロック音楽
- オペラ
の5種類で、聴き比べてみました!
SHURE SE215でピアノ曲を聴いてみた
【おすすめ度:7.5点/10点】
まるで「よく響くホールで生演奏を聴いている」感覚になりました。
あえてネガティブに書かせていただくと、音の粒がややぼやけてかつ高音が弱いので、ピアノという楽器の良さが伝わりにくいかも…
繊細なショパンやラヴェルなどよりも、ラフマニノフやリストなどの重め・力強い曲の方が相性がよさそうです。
SHURE SE215で室内楽を聴いてみた
【おすすめ度:9点/10点】
ヴィオラ・チェロ・ファゴットなど、低音の楽器がメンバーにいる室内楽は秀逸!
低音の厚みを増してくれ、かつ強すぎない暖かい音質で届けてくれます。
SHURE SE215でオーケストラを聴いてみた
【おすすめ度:9点/10点】
オーケストラでも低音楽器が強調されるので、いつもと違う雰囲気に感じられるかもしれません。
解像度が適度に低いので、ふんわりした音で包み込まれるような感覚になりました!
へみ
普段は固く感じられるフルート、ヴァイオリン、グロッケンなども、丁度いい具合にぼかされています。
SHURE SE215でバロック音楽を聴いてみた
【おすすめ度:8点/10点】
低音部のパートが1~2人の事が多いバロック音楽なので、低音部が得意なSE215ではあまり良さが引き出せないかもしれません。
SE215×バロック音楽でおすすめなのが「オルガン曲」です。
もったり聴こえやすいオルガンの低音が、SE215で聴くとはっきりよく聴こえます。
SHURE SE215でオペラを聴いてみた
【おすすめ度:8点/10点】
SE215は、オペラの歌パートの音域はそこまで得意ではありません。
ボーカルをがっつり聴きたい人には少し物足りなく感じるかもしれませんが、オーケストラピットとの掛け合いを聴きたい人には逆にぴったりです。
解像度が低いので、1つの曲としてまとまって聴こえますよ。
SHURE SE215でクラシック音楽を聴くなら?おすすめ5曲
SHURE SE215の特徴としては
- 中~低音域がよく響く
- 音に重厚感が感じられる
- 解像度はやや低めで、曲全体のニュアンスが掴みやすい
という聴き心地でした!
へみ
特定のジャンル(オーケストラ・ピアノ曲・歌曲など)で得意分野がある、というよりは「後期ロマン派(1800年代後半~1900年前後)」くらいの音楽がぴったり。
クラシック音楽に重厚感や哀愁、甘さなどを求める人は、しっくりくるイヤホンでしょう。
チャイコフスキー 弦楽セレナーデ
最初の音から圧倒される事間違いなし!
チェロやコントラバスがフォルテで鳴る場面は、まるでお腹の底から響いてくるような重厚感です。
参考:スコア(総譜)を見ながら聴きたいクラシック音楽10選!スコアリーディング入門
ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」
ヴィオラ奏者でもあったドヴォルザークが書いた弦楽四重奏なので、ヴィオラの音域がぞんぶんに活かされています。
埋もれやすい再低音のド(中央ド、のオクターブ下のド)がくっきり聴こえるので、今までメロディに物足りなさを感じていた人でも満足できるでしょう。
ブラームス ヴィオラソナタ1番・2番
ヴィオラ1本とピアノ1台の曲ですが、中~低音に音を集中させる場面が多く見られるのでSHURE SE215にぴったり!
晩年ブラームスの良さである「内なる情熱」が感じられ、心揺さぶられること間違いなしです。
参考:【晩秋に聴きたい】ブラームス珠玉の名曲5選!クラシック音楽初心者でも感動
サン=サーンス 組曲「動物の謝肉祭」
サン=サーンスの動物の謝肉祭は、コントラバスやチェロに良さが凝縮された曲。
1曲目の行進曲をはじめ、第4曲「亀」や第5曲「象」などで、低音重視の部分がたくさん見られます。
第13曲の「白鳥」は、全曲の中で一番有名な曲。
チェロの優雅なソロも、SHURE SE215だと暖かく響きます。
モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調
人気の高いモーツァルトのクインテットですが、安いイヤホンだと弦楽器のハーモニーがややいびつに聴こえます。
SHURE SE215なら、低音部までしっかり響いて聴こえるので「和音がばっちりハマる」感覚に!
縦横無尽に駆け回るクラリネットも、パッセージの最低音まで余すことなく楽しめます。
SHURE SE215のここがすごい
ほかにもSHURE SE215には魅力がたくさんあります!
クラシック音楽でなくても感じられるメリットばかりなので、購入を検討している人はぜひ読んでみてください♪
高い遮音性!街中や通勤中でも快適に楽しめる
SHURE SE215の最大の魅力は「遮音性」が高いこと!
クラシック音楽はどうしても「周囲がうるさいとボリュームを上げないといけない」のですが、SHURE SE215ならボリューム調整なしでピアニッシモの部分も聴こえました。
通勤電車や街を歩くとき、にぎやかなカフェでの作業にもおすすめです。
嫌味なく増幅された低音
低音部が得意なSHURE SE215ですが、重低音がガツンと響くというよりは「あたたかい音質のまま」増幅されて耳に届きます。
しっかり聴こえてほしいけど、音質が悪くなるのはちょっと…と思う人でも、大満足の音質に感じられるでしょう。
SHURE掛けの安定感がすごい
写真のように、SHUREのイヤホンはケーブルを耳にかけて使う事が推奨されています。
通称「SHURE掛け」と言われていて、やや重めのケーブルと相まってしっかり耳に固定されます。
SHURE SE215レビューまとめ
クラシック音楽愛好家の視点からSHURE SE215のレビューをしました!
良かった点としては
- 低音部が美しい音質のままよく聴こえる
- 高音部は柔らかくマイルドな音質
- 適度に解像度が低く、楽器が多くてもまとまる
- 遮音性抜群で、通勤中やカフェでの作業にもぴったり
- リケーブルにより音質のカスタマイズが可能
という5つです。
ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキーといった「重さがある」楽曲が特に美しいと感じられました!
遮音性が高くてボリューム調整も不要。
作業用BGMに使いづらいな…と思っていた楽曲でも楽しめる可能性大!なので、外出のお供にぜひ使ってみてくださいね。